宮里「手応えが確信にに変わった」“セカンドベスト”の64

[ 2017年5月21日 16:12 ]

中京テレビ・ブリヂストン・レディース最終日 ( 2017年5月21日    愛知県豊田市の中京GC石野C )

16番、イーグルパットを惜しくも外し、悔しがる宮里藍
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 宮里が自己ベストの63に1打及ばなかったものの64と爆発し、前日の28位から6位まで猛追した。「今年は開幕からずっと戦えるという感触がありました。ただそれが結果につながらなかった。でもそういう気持ちはあったのでそれがスコアに出て良かったです」

 圧巻のバーディーラッシュだった。1番で6メートルを沈め幸先のいい滑り出し。「やっと体調が良くなって。(今週)一番良くて、体も軽かったので気持ちを乗せやすかった。1番でスイッチが入りました」。それでも簡単には波に乗れなかった。3番でカラーからの寄せを1メートルショートしてボギーを叩く。さらに、6番パー5でバンカーを渡り歩き、4打目でやっとグリーン手前のラフまで運んだ。ボギーが濃厚となったこの場面、「あれが、弾みをつけました」と起死回生のチップインパーが飛び出す。これでムードが一変した。続く7番で9Iの第2打を1メートル、9番では3メートルを沈め前半を34で折り返した。

 そして後半に入ると怒濤(とう)のチャージが始まった。11番で4メートル、12番で1メートル、13番でカラーから5メートル、14番は10センチ、15番では6メートルのバーディーパットを沈めた。16番は、10メートルからあわやイーグルのタップインバーディーで、日本ツアー自身初となる6連続バーディーをマークした。

 惜しくも、日本ツアー自己ベストの04年ミズノ・クラシック最終日の63には1打及ばなかったものの、05年NEC軽井沢72の2日目以来12年ぶりとなる64をマーク。ハーフ30(イン)は、06年富士通レディース2日目以来2度目となり、まさに「強い藍ちゃん」の復活を印象付けるチャージだった。「(ギャラリーの多さに)本当に背中を押されている感じになりました。自分一人ではここまで集中できなかったでしょう。日本ではギャラリーのみなさんが(スコアが良くても悪くても)無条件に応援してくださるので」とファンの声援にも感謝した。

 一時は首位に1打差まで猛追。「12アンダーまで行けば、もしかしたらプレーオフかと思って回っていました。今日は集中力が高かったのが良かったです」。プレーに集中し過ぎるあまり、16番グリーンでは同伴競技者の仲宗根のパットのラインを踏むうっかりミスも。「プロになって初めて人のラインを踏んだと思います。(同組の)表さんに言われて、自分の事にしか集中していなかったと思って。申し訳なかったです」と苦笑いした。

 大会前日のプロアマ戦をアレルギー性の咳の症状で途中棄権。夜中に咳で何度も目が覚めるなど体調不良に苦しめられたが、徐々に症状も回復。前夜は「一度起きただけでよく眠れた」という。

 家族のサポートも大きかった。前週、沖縄で開催された男子の日本プロを観戦し、次兄・優作を応援。優作の初めての地元Vの瞬間を家族で祝った。「(私は)優作とプレースタイルが似ているのでいいイメージトレーニングになりました」

 父・優さんのアドバイスも力になった。前日のラウンド後、パットの修正を受け悩みが消えた。「もう少し右手でフォローを出した方がいいと言われました。クロスハンドにしている分、どうしても左のイメージが強く、それで緩むところが何度かあった。その復習をもう一度やりました」

 大会前の月曜日には愛知県に住む優作の長女・莢杏(8=らん)ちゃん、長男・優吾くん(4)と会って気分転換。「(莢杏ちゃんは)スナッグゴルフを始めたみたいで」と可愛い姪っ子、甥っ子とのつかの間のリラックスタイムもいい励みになった。

 例年この時期は米ツアー中心のスケジュールを組んでいるが、今季は自分に刺激に与える目的で4〜6月の日本ツアー参戦を決意。次戦は3週間後のサントリー・レディース(6月8日開幕、兵庫・六甲国際GC)の予定だ。「毎試合優勝するつもりで出ています。(今週で)手応えが確信に変わりました」と力強く話してた。

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