羽生 4回転5本で五輪連覇だ、来季挑戦「いい流れがきている」

[ 2017年4月3日 05:30 ]

世界選手権エキシビションの出演者とともにジャンプする羽生(右から4人目)、宇野(同3人目)
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 フィギュアスケート世界選手権でSP5位から逆転で3年ぶりの優勝を飾った羽生結弦(22=ANA)が一夜明けた2日、フィンランド・ヘルシンキで取材に応じて来季について語った。今季はフリーで4回転ジャンプを1本増やして4本にしたが、5本にすることも視野に入れる。来年の平昌(ピョンチャン)五輪で目指すは伝説の王者ディック・バトン(48、52年金メダル)以来の連覇。この日はエキシビションで華麗な舞を披露した。

 大逆転優勝から一夜明けた羽生は「やっと一歩踏み出せた」と改めて安どの表情を浮かべた。昨季はNHK杯、GPファイナルで世界歴代最高得点をマークしたが、そこから足踏みが続いた。世界選手権では今季初めてノーミスでフリー世界歴代最高を3・72点更新する223・20を出したことで、ようやくひと息つくことができた。

 今季はフリーで4回転ジャンプを1本増やして4本にし、最後に全てそろえることができた。「限界を高めてくれて有意義だった」。6位に終わったチェン(米国)は6本挑むなど4回転ジャンプは今後も増えていく可能性がある。羽生は今回のフリーでは演技後半でプランの一つとしていた5本目の4回転ジャンプを回避したが、跳ぶための準備はしてある。来季の構成については「延長線上に進みたい」と話し、5本挑戦も視野に入れていた。

 世界王者として来年の平昌五輪に挑む。羽生は自ら48年サンモリッツ、52年オスロの両五輪を連覇したディック・バトンの名前を出して「バトンさんは連覇する前に世界選手権も勝っている。いい験担ぎになった」と喜んだ。バトンは3回転ループを初めて成功させた選手でもあり、4回転ループを世界で初めて決めた羽生は「いい流れがきていると思い込んでる」と続けた。平昌五輪もハイレベルな戦いが予想される。男子66年ぶり連覇へ。王者は「多分こういう試合が五輪でも起きると思う。どんな試合でも隙をつくらないスケートをしたい」と気を引き締めた。

 ▽ディック・バトン 米国出身のフィギュアスケーター。48年サンモリッツ、52年オスロ両五輪で連覇。世界選手権は48〜52年に5連覇。ダブルアクセル、3回転ループを初めて成功させた。

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