谷原秀人「勝負はグリーン上」 伏兵として関心集める2度目のマスターズ

[ 2017年4月3日 10:00 ]

クラブハウスの前でガッツポーズを見せた谷原
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 3月下旬の世界ゴルフ選手権シリーズ、デル・マッチプレーで谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)が4位に入った。この結果、世界ランキングで前週の60位から48位に浮上し、マスターズ(4月6日開幕、ジョージア州オーガスタ)出場権を獲得した。

 1次リーグ初戦ではメジャー2勝で世界6位のジョーダン・スピース(23=米国)を4&2で破る番狂わせを起こした。そして準決勝では世界1位で出場2戦連続優勝中のダスティン・ジョンソン(32=米国)と互角の戦いを演じた。

 7番までに3ダウンと一方的な展開になるかと思われたが、精度の高いアイアンショットでチャンスを量産。最大の武器であるパットで相手にプレッシャーを掛けた。8番以降で4ホールを奪ってオールスクエアで終盤に突入。17番を落として1ダウンで敗れたが、強敵を最後まで苦しめた。

 対戦が決まった時「(谷原について)何も知らない」と話していたD・ジョンソンが18番グリーンで「オーガスタで会おう」と声を掛けてきた。その存在が認められた証だった。

 谷原は世界からも注目を集めている。英国のブックメーカー「ウィリアムヒル」はマスターズの優勝オッズで谷原に81倍という数字をつけた。D・ジョンソンの6倍や松山英樹(25=LEXUS)の15倍には及ばないものの、15年の全英オープン優勝者ザック・ジョンソン(41)、16年の全米プロ覇者のジミー・ウォーカー(38=いずれも米国)らと同じオッズであり「伏兵」の1人という評価の表れだと言える。

 米ゴルフ専門誌「ゴルフワールド」(電子版)は谷原のパターについて報道。前戦のメキシコ選手権ではスコッティ・キャメロンのピン型のパターを使っていたが、デル・マッチプレーでは同じブランドのセンターシャフトのマレット型のパターに替えたことに触れて「過去6年間センターシャフトのパターをエースとして使ってきた。ストロークのフィーリングが凄く良い。グリーンによっては替えるけど、センターシャフトがエースだ」という談話も紹介している。パット巧者ぶりが関心を集めているからこそ、こうした記事が掲載されたのは間違いない。

 10年ぶりの出場となるマスターズ。初出場だった前回は初日に85をたたいて予選落ちした。しかし今回は手応えを抱いてオーガスタに挑む。

 「どのトーナメントでも変わらないが、淡々と自分のプレーができるようにしたい。勝負はグリーン上だと思っているので、どれくらい攻略できるかな」と口ぶりにも自信がにじむ。38歳にして2度目の夢舞台。何かやってくれそうな予感がする。(福永 稔彦)

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2017年4月3日のニュース