30競技 選手千人超が関与 ロシアのドーピング隠蔽

[ 2016年12月9日 22:35 ]

 世界反ドーピング機関(WADA)が9日、ロシアの国家ぐるみのドーピングを指摘した調査チームの責任者、リチャード・マクラーレン氏による最終報告書を公表した。2011年から15年にかけて夏季、冬季、パラリンピック競技を合わせ、千人を超えるロシア選手が組織的な隠蔽に関与またはそれにより恩恵を受けていたと結論づけた。

 報告書によると、14年ソチ冬季五輪ではロシアのメダリスト12人の検体ボトルから不正の形跡が見つかり、ソチ・パラリンピックではメダリスト6人の検体に不正が認められた。検査で陽性反応を示した検体の隠蔽は、サッカーを含む30以上の競技に及んだ。ロンドンで記者会見したマクラーレン氏は「前例のないスケール。ロシアのドーピング隠蔽はメダル至上主義の戦略でシステム化されていた」と指摘した。

 7月に公表された最初の報告書は、ソチ五輪でのロシア選手の尿検体すり替えや、WADAへの虚偽報告といった不正が、同国スポーツ省の主導で行われていたと断定した。これを受け、WADAはリオデジャネイロ五輪・パラリンピックからのロシア選手団の全面除外を勧告。同国選手は五輪には条件付きで参加を認められたが、パラリンピックから締め出された。

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2016年12月9日のニュース