13歳・張本、最年少世界一 初出場も度胸は抜群 あっぱれ2冠

[ 2016年12月9日 05:30 ]

卓球世界ジュニア選手権最終日男子シングルス決勝 ( 2016年12月7日    南アフリカ・ケープタウン )

卓球の世界ジュニア選手権男子シングルス決勝で雄たけびを上げる張本智和
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 男子シングルス決勝で張本智和(13=エリートアカデミー)が趙勝敏(チョスンミン)(韓国)を4―3で破り、初優勝を飾った。18歳以下で争われる本大会で13歳での優勝は、この種目最年少。日本選手としては2011年大会の丹羽孝希(明大)以来のジュニア世界一となった。張本は龍崎東寅(エリートアカデミー)と組んだ男子ダブルス決勝では韓国ペアに1―4で敗れたが、団体との2冠に輝いた。

 首にかけられた金メダルをまじまじと見つめた。優勝が決まった瞬間はコートに大の字になって喜びを爆発させた張本だが、時間の経過とともに快挙の実感が湧いてきた。初出場で18歳以下の世界の頂点に立ち「2年前まではいつか出られればいいと思っていた舞台。まさか2年後にチャンピオンになれるとは」と初々しく喜んだ。

 困難な壁を乗り越えた。趙勝敏(韓国)との決勝は0―2の劣勢をひっくり返した。最終ゲームも5―1から一時は6―7と逆転された。ここから、相手の強打をしぶとくしのぎ、ミスを誘ってリズムを取り戻した。好機では両ハンドのドライブで攻め立て、5連続得点で決着をつけた。

 宮城県仙台市出身で、中国出身の両親から英才教育を受けて育った。まだ小学6年だった1月の全日本選手権で、社会人選手を破るなど小学生選手で初めて4回戦に進出。大器の片りんをのぞかせた。得点した時に胸を大きく反らせて叫ぶ“ハリバウアー”がトレードマークだ。

 14年3月に日本国籍を取得。今年4月に上京し、日本オリンピック委員会(JOC)が寄宿制で有望選手を育成するエリートアカデミーで力を磨く。まだ中学1年。試合前には勝てば最年少優勝記録を更新することはチーム関係者から伝えられたという。「来年も決勝までこられるかどうか分からない。このチャンスを絶対に逃したくなかった」と喜んだ。

 今後は休む間もなく、8日にドーハ入りし、ワールドツアー・グランドファイナルの21歳以下の部でさらに年上の選手を相手に腕試しする。小学生時代から大器と注目を集めてきたが、17歳での東京五輪出場も現実味を帯びてきた。

 ◆張本 智和(はりもと・ともかず)2003年(平15)6月27日、宮城県仙台市生まれの13歳。2歳で卓球を始め、全日本選手権では小学1年から世代別大会で6連覇。3年時には東アジアホープス大会(12歳以下)で8強入りした。家族は父・宇さん(45)、母・凌さん(42)、妹・美和さん(小2)。1メートル67、54キロ。

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