【村上武資の目】錦織は攻めるテニスを突き詰めろ

[ 2016年1月27日 10:58 ]

シングルス準々決勝でボールを追う錦織(AP)

全豪オープン第9日

(1月26日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 40―0から落とした第1セット第6ゲームが勝負の分かれ目となった。ドロップショットをミスし次に真ん中付近からのフォアの逆クロスも横に外れた。ジョコビッチと持久戦をやっても勝てないと判断し、そこで攻めた選択は間違いとは言えない。ただし、精度が足りなかった。

 リスクを負わないままでは、どんどんジョコビッチのペースになっていた可能性は高い。試合後に錦織とも話したが、本人に迷いはないようだ。ならば、攻撃できるボールを逃さず攻めるテニスを突き詰めるしかない。

 今大会を見ていて、ジョコビッチとA・マリー以外には負ける要素はないとあらためて感じた。ジョコビッチは鉄壁で、錦織がベースラインで唯一プレッシャーを感じる選手。A・マリーはガッツに加えて、スライスを使って速攻をさせてくれない。ジョコビッチとは違う緩急のうまさがある。この2人をどう打ち砕いていくか。

 サーブの強化も不可欠だ。特にバックサイド(コート左側)からワイドへのサーブはフラット一辺倒。錦織はどちらかといえば横回転のスライス系のサーブだが、フェデラーが使っているような順回転で相手を外に追い出すようなキックサーブも使い、戦術のバリエーションを増やしていく必要があるのではないか。(ロンドン五輪日本代表監督)

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2016年1月27日のニュース