美女クライマー野口「魅力伝えたい」東京五輪追加種目へPR

[ 2016年1月27日 05:30 ]

記者会見でポーズをとるスポーツクライミングの野口啓代(中央)

 20年東京五輪の追加種目候補となっているスポーツクライミングが、知名度アップに努める。スポーツクライミングを統括する日本山岳協会は26日、ボルダリングの日本一を決めるジャパンカップ(30、31日、埼玉・加須市民体育館)に向けて都内でキックオフ会見を開き、ボルダリング女子で14、15年と2年連続でW杯総合優勝を果たした野口啓代(あきよ、26=茨城県連盟)らが出席。競技の模様はテレビで生中継されることも決まり、追加種目決定に向けて懸命のアピールを続けていく。

 知名度アップに全力を尽くす。日本山岳協会は20年東京五輪でのスポーツクライミングの追加種目決定に向け、PR大作戦に出た。この日は同協会初のキックオフ会見を実施。八木原国明会長は「日本には世界のトップ選手がいるが認知されていない。東京五輪に向け、組織を整え選手強化していきたい」と話した。

 アピールの第1弾がテレビ放送だ。ジャパンカップはこれまで録画放送はあったが、今回は「スカイ・A sports+」「BSスカパー!」での無料生放送にこぎ着けた。日本協会の中川裕氏は「時間のコントロールができない競技なので中継は難しいが、生で見る緊張感を伝えたい」と狙いを話した。分かりやすい中継とするため「昨年までとは違うものにしなければならない」との方針も説明した。

 世界のトップも会見に駆けつけた。ボルダリング女子で14、15年のW杯総合優勝を含め、4度年間女王に輝く野口が参加。1メートル65、49キロと線は細いが、約20キロの重りを背負って腕立て伏せや懸垂のトレーニングに励んでおり、柔軟性とパワーを備えている。茨城県にある実家は牧場を営んでおり、昨年からスポンサーに牛乳石鹸も加わり、現在11社と契約を結ぶ。今季の目標は「加須でのW杯(4月)、世界選手権(9月、パリ)に体調を合わせてタイトルを獲りにいきたい」。世界選手権制覇なら日本初の快挙となる。

 20年東京五輪の実施種目としては、ボルダリング、リード、スピードの3種目を組み合わせた複合が提案されている。そのため、今季は本職外のリードの日本選手権(3月、印西市松山下公園)にも出場予定。「陸上の短距離、中距離、長距離をするようなもの。練習も全部中途半端になるのでバランスが難しい」と話すが、過去にはリードのW杯でも2位に入っており自信はある。「クライミングの魅力を伝えたい」。美女クライマーが世界の技を魅せる。

 ▽スポーツクライミング 突起物が設置された人工の岩壁をよじ登る競技。制限時間内に最高到達点を争うのが「リード」、ロープを使わず数種類の壁に挑むのが「ボルダリング」、速さを競うのが「スピード」。20年東京五輪には、ボルダリング、リード、スピードの3種目の合計点で競う複合が提案されている。

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