錦織自滅…ジョコに5連敗 凡ミス54本で声援「しっかりしろ」

[ 2016年1月27日 05:30 ]

ジョコビッチ(右)に敗れた錦織(AP)

全豪オープン第9日

(1月26日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 世界No・1のプレッシャーにのみ込まれた。男子シングルス準々決勝で、世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)は54本の凡ミスを犯して同1位のノバク・ジョコビッチ(28=セルビア)に3―6、2―6、4―6で完敗。全豪の日本男子では1932年の佐藤次郎以来84年ぶりのベスト4進出はならず、2年連続のベスト8に終わった。次戦は4連覇が懸かるメンフィス・オープン(2月8日開幕、米テネシー州)となる。

 もっと厳しく、もっと深く。そう思う分だけ余計にミスが増えていった。ネットにかけてうなだれ、アウトになってラケットを振り上げた。見かねた日本のファンからは「しっかりしろー!!」と声が飛んだ。

 「一番強い選手とはいえ、もうちょっと何かできただろうと思う。自分の力を全部出せていなかった。悔しい」

 序盤の均衡が崩れたのは第6ゲームだった。錦織は40―0とリードしながら、3球目のバックハンドをネットにかけ、ドロップショットをミスし、再び3球目のフォアハンドをサイドアウト。最後はダブルフォールトで最初のブレークを許した。

 「全く相手に関係のない自分のミス。ああいうのが出るとトップには勝てない」と錦織は言ったが、それこそがジョコビッチの重圧だったかもしれない。こん身のショットも鋭く返球してくる鉄壁の守備力。「守って勝てる相手ではない」と攻めに出るが「弱点がない分、どこを攻めたらいいか迷う」と厳しいところを狙ってミスが出る。世界No・1の存在感は重たくセンターコートを支配していた。

 この日はオーストラリアの祝日で、ナイトセッションの第1試合というメーンイベントだった。これまでの錦織は午前11時開始の試合が続き、練習も同様の時間にこなしてきた。この日もルーティンを守り、午前11時から練習を行い、午後5時から再び試合に向けたウオーミングアップを行った。場所中の力士のような朝稽古方式で、体内リズムを合わせたが結果にはつながらなかった。

 前回対戦した昨年11月のATPツアー・ファイナルでも1―6、1―6の完敗を喫し、再び力の差を見せつけられたストレート負け。「ロンドンとここでチャンスを見いだせない。ふがいないというか、何か変えないと勝てないのかなと思う」。2年連続のベスト8にも満足はできず、錦織は世界No・1の強さにただうちひしがれていた。

続きを表示

2016年1月27日のニュース