寺内 日本人夏季最多タイ5度目五輪!最年長34歳ロンドンの雪辱だ

[ 2015年7月31日 05:30 ]

男子3メートル板飛び込み準決勝 10位で決勝進出が決まり馬淵コーチ(手前)と抱き合う寺内健

水泳世界選手権第7日

(7月30日 ロシア・カザニ)
 男子3メートル板飛び込み準決勝が行われ、寺内健(34=ミキハウス)は463・25点の10位で決勝進出を決め、12位までが得る16年リオデジャネイロ五輪出場権を獲得した。08年北京以来、5度目の五輪出場は柔道の谷亮子(39)、アーチェリーの山本博(52)に並ぶ日本人の夏季大会最多記録となる。

 研ぎ澄まされた集中力で4年前の悪夢を振り払った。10位で迎えた最終6本目。寺内は海外勢も「美しい」と称える演技で79・5点をマーク。プールから上がり、五輪が決まる12位以内であることを確認すると、馬淵崇英コーチから「やっとやな」とねぎらわれ、抱き合って頬を濡らした。

 ロンドン五輪出場権を懸けた11年世界選手権は最終演技でミス。五輪5大会連続出場を逃した。「見返してやる」。6度目の世界選手権は出場61人で最年長。海外勢が高難度の離れ業をさく裂する中で「持ち味の安定感」がある演技を並べた。鬼門の6本目。「自分のやれることは限られている。精いっぱいやるしかない」と自らを奮い立たせ、目の前の一本に全力投球。雪辱を果たした。

 2日前、でん部に張りが出た。痛み止めを服用し、はりも20本打って応急処置したが、不安を抱えての本番だった。それでも「粘り強かった。ここ数年で一番」と経験で乗り越えた。さらに今大会でシンクロ日本を復活させた井村雅代ヘッドコーチから「健ちゃんもな、年齢相応の粘り強さ見せなアカンで!」と言われ、パワーをもらった。

 6月には五輪2大会連続金メダルの32歳、北島康介と都内の飲食店で再会。北島は4月の日本選手権で今大会の出場権を逃した後も、リオ五輪を目指して現役続行を決めた。「リオにお互いに出て、おめでとう、と言い合えたらいいな」と約束を交わした。そして戦友より先に決めた5度目の五輪切符。夏季大会では柔道の谷亮子、アーチェリーの山本博に並ぶ日本人最多出場記録となる。

 メダルを懸けて臨む31日の決勝に向け「これで勝負は終わりじゃない。8位入賞。もうちょっと上の5位までいけたら。できる限りの力を振り絞ってやりたい」と寺内。リオでのメダルを見据え、貪欲に結果を求める。

 ◆寺内 健(てらうち・けん=男子3メートル板飛び込み)01年世界選手権で銅メダル。五輪は08年北京まで4大会連続で出場し、00年シドニーの高飛び込みの5位が最高。09年に引退したが11年に現役復帰。甲子園大大学院出、ミキハウス。1メートル70、70キロ。34歳。兵庫県出身。

 ▽板飛び込み 高さ3メートルの弾力性のある板から女子は5回、男子は6回飛ぶ。それぞれ異なる演技をして合計点を競う。7人の審判がプールの両サイドから見て、7人のうち上下2人の採点をカット。残り3人の合計点と難易度を掛けた点数で争う。

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2015年7月31日のニュース