シンクロ井村HC採点に怒り「日本の審判もいるし聞いてみたい」

[ 2015年7月31日 05:14 ]

デュエット・フリールーティン決勝 演技を終え声援に応える乾(右)、三井組

 水泳の世界選手権第7日は30日、ロシア・カザニでシンクロナイズドスイミングのデュエット・フリールーティン決勝が行われ、日本の乾友紀子(24=井村シンクロク)、三井梨紗子(21=東京シンクロク)組は予選からスコアを0.1落とし、93.4333点の4位。予選4位だったライバルのウクライナが93.6000点で3位に入り逆転され、今大会3つ目のメダルを阻止された。

 2つのメダルを獲得してイケイケモードとなった日本が足踏みした。ウクライナが日本の点数を上回ると、ご機嫌だった井村氏の表情が一瞬で豹変。「なんでやねん!」と顔に書いてあるかのような口ぶりで、結果に対して不満をぶちまけた。

 「テクニック的に(ウクライナに)負けたとは思わなかった。なんで予選から点数が下がるのか!?」。井村氏の目には愛弟子のパフォーマンスは、3位につけた2日前の予選よりも上向いて映った。「予選見たら(日本は動きが)かなり重かったんで、それに比べたら勢いがあったし、水が(体に)まとわりついてなかった。ジャッジが、どういうところをウクライナを良しとして、日本が良くないとしたかは考えたい」。

 これまでロシア、中国、ウクライナ、スペインに次いで世界5位に位置づけられた日本は今大会で序列を覆し、世界選手権で8年ぶりにメダルを獲得した。すでに、ウクライナをのみ込んだように思われたが、予選からジャッジも変更されており、人の目のよって結果は違った。

 それにしても、ウクライナの出来は日本を上回るものだったのか。井村氏はライバルの銅メダルの演技に、厳しい言葉を並べる。「(演技が)バラバラばっかりで、(2人の距離が)遠くって、ふぁ~とやってんのんで、あんなやり方で点取れるのかなと。日本の審判もいるし、聞いてみたい」。

 これだけでは収まらない。「同調性なんか全然負けてると思わないし、伸びやかさでは負けてるかも分からないけど、あの伸びやかさの表現で(メダル)取れんねんやったら、これデュエットちゃうなと思う」と斬り捨てた。

 ロシア出発前の成田空港。井村HCは「(世界選手権は)けんかと一緒や」と甲高い声で宣言したが、まさに、その様相を呈してきた。来年のリオデジャネロ五輪へつなげるためにも宿敵ウクライナの息の根を止めなければならない。31日にはチームFR決勝、8月1日はフリーコンビネーション決勝と、リベンジのチャンスは残されている。

 エース乾が「絶対勝つ」と言えば、三井も「ここで終わるわけにはいかない」と気合十分。そして、井村HCは「これでへこむか、立て直すかというところ。これを越えたら、たくましくなるでしょうね」。逆襲モードに切り替わった闘将がエンジン全開で勝ちに行く。

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2015年7月31日のニュース