空のF1 室屋、初の母国開催は8位も「感慨深い」

[ 2015年5月17日 19:13 ]

大勢の観客が見守る中行われたレッドブル・エアレースで、華麗に疾駆する室屋義秀の飛行機

 「空のF1」と呼ばれ、日本で初開催となった飛行機のレッドブル・エアレース第2戦千葉大会は17日に千葉市の幕張海浜公園特設コースで最終日を迎え、日本人唯一のパイロット室屋義秀(42)は14人中8位で今大会を終えた。

 ラウンド・オブ14で50秒779の今大会最速タイムを叩き出した室屋だが、続くラウンド・オブ8で最大荷重10Gを超える反則を犯し、タイムなし扱いで敗退となった。レース間に飛行機のセッティングを変更し、約10キロスピードが上がったことが仇になったという。それでも初の母国開催を振り返り「選手というより、長い間航空スポーツで戦ってきた者として、これだけ多くの人(観衆6万人)に見に来てくれたのはうれしい。航空スポーツ維新かな、と思う。こういう日が来るのは感慨深い」と話した。

 98年から福島市のふくしまスカイパークに練習拠点を置く。11年3月の東日本大震災後は、エアレースで世界を転戦し、福島在住であることを伝えると「福島は人も住めないような状態になっていると思っている人が、世界にはまだまだ多い」と実感している。復興に向けては「そこに居を置いて戦うことで、無駄な風評被害を払しょくできればいいと思っています」と静かに語った。

 14日にはレース機を操り、ふくしまスカイパークから40分かけて千葉の会場へ飛来したという室屋。8位に終わっても「人生で一番いい日だった」とまで言ったその表情は、マイナースポーツの先駆者として、福島の住人として、この日を迎えられた満足感で覆われていた。

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2015年5月17日のニュース