錦織13連続ポイント締めで4強 初めてセット落とすもギアチェンジ

[ 2015年4月25日 05:30 ]

フルセットを制して腹筋を披露する錦織。13連続ポイントで締めて4強入りを決めた(AP)

男子テニス バルセロナ・オープン

(4月24日 スペイン・バルセロナ)
 世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が連覇まであと2つに迫った。世界16位のロベルト・バウティスタ(27=スペイン)に6―2、3―6、6―1で勝利。今大会初めてセットを落としたが、ギアを入れ替えて最後は13連続ポイントで試合を決めた。世界4位のラファエル・ナダル(28=スペイン)も敗れた中で順当に4強入り。25日の準決勝は、昨年の全仏オープンで敗れた世界28位のマルティン・クリザン(25=スロバキア)と対戦する。

 まるでバウティスタのテニスに傷を刻んでいくように、赤土に錦織のショットの鋭い跡が刻まれていった。何度もラケットを叩きつけそうになって思いとどまる。バウティスタにできたのはそれだけだった。

 最終セット、第4ゲームのブレークポイントからは怒とうの13連続ポイント。「ブレークできてから余裕を持っていいプレーが増えてきた」という錦織は、最後の3ゲームは1ポイントも許さず、涼しい顔でゲームセットを迎えた。

 立ち上がりは抜群だった。ここまでの2試合と同じように、相手の最初のサービスゲームをブレーク。安定したストロークと展開力、高いサーブの精度で、わずか26分で第1セットを先取した。

 ところが第2セットにペースが落ちる。「強くなってきた」という風がトスに影響し、第1サーブの確率は第1セットの84%から41%まで急落。警戒していたバウティスタの直線的なフォアハンドにも苦しめられた。第6ゲームでミスを重ねてブレークされた一方で、相手を上回る5度のブレークポイントは1つも生かせなかった。

 バウティスタは優勝した昨年大会でも唯一フルセットに持ち込まれた相手。今年もここできっちりねじを締め直した。「相手のフォアに集めすぎたり、攻めが一定になりつつあった。それを変えて相手のバックハンドに集めてから攻めるようにした」。最終セットはリズムと集中力を取り戻し、第4ゲームで最初のブレーク。凡ミスも2本に抑えてきっちりと締めた。

 これまでに第1シードで臨んだ4大会はいずれも決勝まで進み、3勝している。大会前には「スペインで第1シードになるなんて変な感じ」と話していたが、ナダルものまれた波乱の渦を乗り越えて4強に進出した。「クレーなので目の前の相手に勝つのに必死なところがある。第1シードだと考える余裕がないのがいいことでもある」と重圧は感じていない。ツアーでの連覇はハードコートでのメンフィス・オープン3連覇があるのみ。「あしたもタフな相手。力強いテニスをまたクレーでしたい」と語る錦織には、今度はクレー王国での連覇が見えてきた。

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