錦織躍進の裏に“赤ちゃんトレ” 理学療法士オオハシ氏が解説

[ 2015年4月24日 09:30 ]

骨模型の前でポーズを決めるロビー・オオハシ氏

男子テニス バルセロナ・オープン

(4月23日 スペイン・バルセロナ)
 「テニスでは足から体幹を通してラケットに力を伝える。錦織圭は体幹の機能が安定したことで、ラケットのコントロールやパワーが増した」。そう語るのはハンマー投げの室伏広治のトレーナーとしても知られる理学療法士のロビー・オオハシ氏だ。

 今月中旬に東京医科歯科大学のスポーツサイエンス機構が開催した教育プログラムに講師として米国から来日。インタビューに答えた。

 同氏は10年秋に錦織と出会い、指導や助言を行ってきた。当初は動きに課題が多かった。たとえば横への動き。腰を落としたスクワットの姿勢は「腰椎が伸びすぎて大腿直筋ばかりを使ったフォーム」と足に余計な力が入り、左右への動きだし時も「骨盤を大腿骨の上で回旋することが苦手で、どうしても腰椎や胸椎から回旋しがちだった」。腰や背中をひねって動きだすために体に余計な負荷がかかっていた。

 そうした動きを改善したのが室伏も取り組んだ“赤ちゃんトレーニング”だ。あおむけの状態で体に巻きつけたゴムチューブを引っぱったり、バランスボールを体の上で回すなどして体幹を強化。その上で動きを細分化して見直し、組み立て直すことで、筋肉の未発達な赤ん坊が寝返りを打つように自然に体重移動ができるようにもなった。動きの質の向上は耐久性のあるプレーを可能にする。オオハシ氏は「才能は素晴らしい。健康な状態を保てれば自然と結果は出る」と期待を込めた。

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2015年4月24日のニュース