錦織 返り討ち8強、昨年決勝相手を一蹴「自信つかめてきた」

[ 2015年4月24日 05:30 ]

バルセロナ・オープン3回戦でヒラルドと対戦した錦織、ストレートで圧勝し準々決勝進出を決めた(AP)

男子テニス バルセロナ・オープン

(4月23日 スペイン・バルセロナ)
 世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が順当に8強入りを決めた。シングルス3回戦で昨年決勝と同じ顔合わせとなった世界31位のサンティアゴ・ヒラルド(27=コロンビア)に6―2、6―1で完勝。73年の現行世界ランキング導入後では史上7人目となる大会連覇に一歩前進した。24日の準々決勝は世界16位で第7シードのロベルト・バウティスタ(27=スペイン)と対戦する。また、世界4位で第2シードのラファエル・ナダル(28=スペイン)が敗れる波乱があった。

 冷や汗をかいたのは一瞬だけだった。いや、周囲が思うほどには錦織は焦っても慌ててもいなかった。「毎回は入らないと思っていたし、相手が凄いショットでも自分のプレーを最後まで貫くようにした。冷静だった」

 錦織の立て続けのブレークによって、0―4と追い込まれたヒラルドの猛反撃。捨て鉢のバックハンドがリターンでもラリー戦でも火を噴いた。第5ゲームでブレークバックを許した錦織は、第7ゲームもブレークポイントを与えてキープに成功。しかし、ここで慌てず騒がず流れを引き戻した。

 「深いボールを打ってミスを減らす。ミス待ちにならないようにフォアで攻撃的にもいけた」。第8ゲームをブレークして相手に傾いた流れをせき止めると、ヒラルドはすっかり鎮火。「スコア以上にタフな試合だった」とは言うものの、第2セットは錦織が5ゲームを連取する一方的な展開で、昨年決勝を戦った相手に1年間の成長を示した。

 クレー王国スペインでの達成となれば違った感慨も出てくるはずだ。バルセロナの郊外にはアンディ・マリー(英国)やグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)らがジュニア時代に在籍していた「サンチェス・カサル・アカデミー」がある。同アカデミーの関係者は「スペインの選手が強いのはクレー育ちだからだ」といい、「クレーでは単発ではなく組み立てが必要になる。フットワークも磨かれる。テニスに大事なことが学べるんだ」と力説した。

 そうした環境で才能を磨いたクレー巧者が集まるのが、今年で63回目を迎えたスペイン最古の今大会。それだけに、ここでの連覇は超一流への“約束手形”にもなる。今大会の連覇は過去に9人。ただし、73年以降は6人で、その全員が全仏オープンを制し、5人が世界No・1に上りつめている。「この2試合はいいプレーができている。自信もつかめてきた」。第4シードのチリッチ(クロアチア)や第6シードのツォンガ(フランス)が敗れるなど波乱が相次ぐ錦織のブロックだが、第1シードは揺るぎない。

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