穴井、本命抑え「67」で奪首!最終戦で狙う“3度目正直”

[ 2014年11月30日 05:30 ]

通算11アンダーで首位に立った穴井詩。18番でバーディーを決め、キャディーとガッツポーズ

女子ゴルフツアー LPGAツアー選手権リコー杯第3日

(11月29日 宮崎県宮崎市 宮崎カントリークラブ=6428ヤード、パー72)
 2位で出た穴井詩(27=GOLF5)が6バーディー、1ボギーで3日目ベストスコアの67をマーク、通算11アンダーの205で、2位に1打差をつけて首位に浮上した。自身3度目となる首位で臨む最終日。今季最終戦のメジャー大会で3度目の正直を目指す。大会史上初めてアマチュアで出場している勝みなみ(16=鹿児島高)は75と崩れ、通算6オーバーの27位で最下位となった。
【第3R成績】

 初めてリーダーズボードを見たのはホールアウトの時だった。18番で5メートルをねじ込みバーディー締めした穴井は、グリーン脇の大型スクリーンに目を向けた。11アンダーでトップに立つ自分の名前を確認すると「うれしかった。きょうは“がっつかない”というのを自分自身に約束しました」とにんまり。自らのプレーに徹する作戦で優勝への階段を上った。

 キャディーを務める石井雄二コーチによると、最速ヘッドスピードは時速49・9キロ。男子プロ並みのパワーで「振れば280ヤード」(石井氏)を飛ばす。「選手の挑戦意欲をかき立てるため」という主催者の意向で、パー5の9番は昨年より10ヤード、11番は5ヤード距離が短くなった。9番では残り212ヤードから5Wでピンそば3メートルに2オンして、2パットのバーディー。今大会パー5は12回中、5回2オンに成功。セッティングは穴井向きだ。

 14~19歳時に父の仕事の関係で米国に留学。母の運転する車でゴルフ場に通い、当時は男子と一緒にプレーしても互角に渡り合っていたという。帰国後は研修生として腕を磨き同時に日本の「上下関係」も学んだ。米国帰りの若者には「ちょっとしたカルチャーショック」だった。だが、コースに出れば、話は別だ。今季の優勝者が軒並み名を連ねるメジャーで、穴井は賞金ランキングでの出場。96年の井上陽子以来、2人目となる今大会でのツアー初優勝で“下克上”を成し遂げる。

 練習仲間の成田が今季3勝で大ブレーク。今年はパーオン率とリカバリー率を勝負していたが「惨敗した」。罰ゲームでオフにプレゼントをおねだりされる予定で「ちょっと怖い」と苦笑い。それでも、後輩から刺激を受けて成長できた面もある。優勝すれば賞金2500万円。「その時は気分良く」大盤振る舞いし、感謝を示すつもりだ。 

 ◆穴井 詩(あない・らら)1987年(昭62)11月11日、愛知県岡崎市出身の27歳。父・幸二さんに勧められ11歳でゴルフを始める。教員の父の仕事の関係で14歳で米ボストンに移住。ノバ・サウスイースタン大(米国)中退。名前の詩は父が「音楽が好きになるように」と付けた。1メートル65、58キロ。

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2014年11月30日のニュース