東芝 王者パナ討ち開幕!冨岡新HC初陣飾る「パッション出した」

[ 2014年8月23日 05:30 ]

<パナソニック・東芝>後半37分、トライを決める東芝・森(右)

ラグビートップリーグ第1ステージ第1節 東芝39―26パナソニック

(8月22日 秩父宮)
 来年のW杯イングランド大会前最後のシーズンが幕を開けた。昨季4位の東芝が王者パナソニックを39―26の逆転勝利で下し、勝ち点5とした。04~05年シーズンからの3連覇時に主将を務めていた冨岡鉄平新ヘッドコーチ(37)の下、伝統のFWの強さを前面に出した戦いぶりで、計5トライを量産。昨季は公式戦で4戦4敗と苦杯をなめた相手にリベンジを果たした。

 ラグビーシーズンの幕開けを待ちわびていたファンの前で、東芝の選手がノーサイドの笛とともにガッツポーズを繰り出した。3月9日の日本選手権決勝など、昨季4戦4敗した王者に完勝。試合後、会見場に現れた冨岡新HCは感想を求められると「何をしゃべればいいんですか?」と第一声。初々しさを見せながらも、野太い声で開幕戦勝利の大きさを語った。

 「きょう負ければ今年のチャンピオンシップ(優勝)はないと思った。選手がエナジーとパッションを出した結果です」

 開始2分でPGで失点し前半11分には10点差に広がった。それでも指揮官が「4月14日からスタートさせ、どこよりもしっかり準備してきた」チームは慌てない。同19分、ラインアウトからモールを押し込み、最後はWTB大島が最初のトライ。6点を追う同35分にもラックからプロップ浅原が持ち込み、トライとゴールで逆転した。後半15分には12人がモールを押し切ってリードを広げた。8人中6人が日本代表経験者の東芝FW陣。今季はFW一辺倒のアタックからの変ぼうを目指しているが、指揮官もFW戦で踏ん張ったこの日ばかりは「きょうはFWで勝った」と称えた。

 現役を引退してからまだ3年。ともにプレーした選手が多い中、選手は口々に「チームの風通しは良くなった。若い選手の意見も吸い上げてくれる」と話す。細かなことでも選手の意見が通り、互いの信頼感は高まった。「自分はロビーさん(パナソニック監督)とは比べようがない。でも選手に情熱を持たせて送り出すことは負けない」。後半31分、リーチが一時的退場で14人になっても、残された選手全員でカバーして戦い切った。「きょうは勝ったが、このまま連勝で行けるとは思っていない」と結んだ新指揮官。長いシーズンへ、まだまだ進化を遂げていくと言わんばかりだった。

 ▽トップリーグの日程と方式 12シーズン目で最速となる8月22日の開幕。昨季と同様に2ステージ制が採用される。第1ステージは16チームを昨季の順位によりA、B組に8チームずつ振り分け、1回戦総当たりで勝ち点を争う。11月28日からの第2ステージは各組上位4チームがA組、下位4チームがB組に入り、再び1回戦総当たりを実施。同ステージA組の上位4チームが、プレーオフトーナメント「リクシルカップ」で優勝を争う。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月23日のニュース