吉田沙保里 因縁のW杯「お父さんも楽しみにしていた 切り替えて、やる」

[ 2014年3月14日 05:56 ]

父・栄勝さんが眠る棺を実家から運び出す吉田

 11日にくも膜下出血で亡くなった吉田栄勝(よしだ・えいかつ)さん(享年61)の通夜が13日、三重県津市内の斎場で営まれ、栄勝さんの娘で女子五輪3連覇の吉田沙保里(31=ALSOK)は会見で、15日に開幕する国別団体戦W杯(東京都板橋区・小豆沢体育館)への出場を明言した。

 W杯は過去2度、外国人選手に敗れた因縁の大会。だが、そのたびに「仕方ないな」と笑顔で励ましてくれたのも父だった。

 これまでの55キロ級ではなく、今大会は16年リオデジャネイロ五輪でターゲットとする新階級53キロ級で初めての試合。体調も万全でないが、不安は一切口にしなかった。

 「新しい階級でお父さんも楽しみにしていたと思う。天国で見ていると思うので、お父さんに教えてもらったタックル、攻めるレスリングを見せたい」。そして、青白い顔のまま目を見開き、こう続けた。「気持ちを切り替えて、やる」。その言葉こそ、吉田の中に父が生きている証だったのかもしれない。

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