東京「復興五輪」アピール 竹田氏「東京に一票を」

[ 2013年9月8日 06:00 ]

IOC総会で東京のプレゼンテーションに臨む猪瀬直樹知事(前列左端)と安倍首相(前列左から3人目)ら

20年五輪招致最終プレゼン

 2020年夏季五輪の開催都市を決める投票直前の最終プレゼンテーションで、東京は「安心、安全、確実な五輪」に加え、一度は封印した東日本大震災からの「復興五輪」を開催意義の一つとして「情感」に訴えた。

 約100人の国際オリンピック委員会(IOC)委員にアピールする最後の場。冒頭で高円宮妃久子さまがフランス語と英語で被災地支援への謝意を述べられ、会場の雰囲気が引き締まった。

 続いて宮城県気仙沼市出身でパラリンピック陸上の佐藤真海選手が登場して発言者を1人ずつ紹介すると、盛大な拍手が起こった。佐藤選手は大学時代に骨肉腫で右の膝下を失った経験や震災の津波で実家が被害を受けたことを明かし「スポーツは人々を笑顔にする力がある」と呼び掛けた。

 招致委の竹田恒和理事長は「隠し玉」と用意した10年の第1回ユース五輪で金メダル第1号となったトライアスロン女子の佐藤優香選手を紹介し「五輪の価値を若い世代に受け継ぎたい」と情熱的にアピール。「東京に1票を」と繰り返した。

 貫いたテーマはロンドン五輪で日本選手の活躍が東日本大震災の被災地を勇気づけた「スポーツの力」。安倍晋三首相は懸念される東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「政府が対応しており、私たちは決して東京にダメージを与えない」と説明し、オールジャパン態勢の支援を約束した。

 ▽竹田恒和・東京招致委理事長の話 みんな良くやってくれた。プレゼンはよくできたと思うし、メンバー全員に感謝したい。(汚染水問題は)総理からはっきりと現状と改善策をお話しいただいた。完全にご理解いただけたと思う。

 ▽佐藤真海選手(パラリンピック陸上)の話 プレゼンは素晴らしかったと思う。日本としては百点満点。やることはしっかりできた。被災地というより、日本中の思いを伝えてきたつもり。力をもらった感謝の気持ちを込めた。

 ▽太田雄貴選手(フェンシング)の話 幸せという言葉以外に見つからない。重責だったが、このメンバーで戦えたことを誇りに思う。いい雰囲気の中で持てる力は出せた。

 ▽水野正人・東京招致委専務理事の話 チームジャパンみんな力を合わせた成果を出せた。ベストは尽くせた。IOC委員の反応も良かったと感じた。(共同)

続きを表示

この記事のフォト

2013年9月8日のニュース