「荒れる春」主役だ!舛ノ山1敗キープでダークホースに

[ 2013年3月15日 06:00 ]

若の里(右)を押し出しで破る舛ノ山

大相撲春場所5日目

(3月14日 ボディメーカーコロシアム)
 平成生まれの平幕・舛ノ山が36歳の若の里を豪快に押し出し、1敗をキープした。3日目の夜に、大阪・泉南市にある宿舎が崩壊するという夢にうなされたが、土俵では集中力を発揮。荒れまくる春場所のダークホースに浮上した。全勝の横綱・白鵬は小結・栃煌山をとったりで下し、5連勝で単独トップをキープ。追う1敗は舛ノ山や大関・鶴竜ら8人となった。

 風船のようなパンパンの体を躍動させて、舛ノ山が突進した。角界の“元気玉”は182キロの巨体を36歳の若の里にぶつけ、バーンとはじき飛ばした。まずは回転のいい突っ張りで4発。さらに4発を繰り出し、最後は両手で押し出した。4秒2の速攻でも息は荒くなっていたが「体がよく動いた」と支度部屋でとびっきりの笑みを見せた。

 序盤を終えて4勝1敗。元気の源はリフレッシュ休暇と音楽だ。4勝に終わった初場所後の2月中旬、3泊5日の部屋旅行で訪れたハワイではじけた。ワイキキビーチで泳ぎ、本場の特大ステーキ、ハンバーガーで英気を養った。「泳ぐのは好きで、リフレッシュできました」。気持ちを切り替えて臨んだ大阪春の陣。連日、宿舎に帰る車の中で大好きなEXILEの音楽を聴き、気持ちを高ぶらせている。

 入門以来6年半も愛用していた枕も、母からプレゼントされたものに替えた。高さが違うせいか?3日目を終えた夜に、思いもよらない悪夢にうなされてしまった。

 「宿舎が崩壊する夢でした。“あっ”と思って目が覚めた。(夢の中では)慌てて荷物をキャリーケースにまとめて逃げてましたよ」。夢で良かったと心を落ち着けると、不思議と土俵上でも冷静になり、4、5日目を快勝した。

 「心房中隔欠損症疾患」の可能性を指摘されるなど心臓に疾患を抱え、全力を出せる時間は約20秒。周囲からも手術を勧められているが、本人は固辞している。発熱に苦しんだ初場所の反省を生かして、「体調だけは気をつけたい。一番一番集中したい」。花粉症対策は、3時間に一度の鼻炎スプレーでばっちり。平成生まれのライバル、高安に金星一番乗りを決められたが、荒れる春の主役の座は譲れない。

 ◆舛ノ山大晴(ますのやま・ともはる、本名=加藤大晴)1990年(平2)11月1日、千葉県印旛郡栄町生まれの22歳。両親の離婚で一時は母マリアさんの祖国フィリピンで極貧生活を経験するが「(母の)生活を助けたい」と中学卒業後に角界入門。06年名古屋場所で初土俵。10年九州場所新十両、11年秋場所新入幕。敢闘賞1回。1メートル79、182キロ。

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2013年3月15日のニュース