沙羅今季4勝目 2回目圧巻105メートルで逆転

[ 2013年1月14日 06:00 ]

W杯ジャンプ女子個人第8戦で優勝した高梨沙羅。左は2位のサラ・ヘンドリクソン

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子

(1月13日 ドイツ・ヒンターツァルテン)
 日本のエース、高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)が個人第8戦(HS108メートル、K点95メートル)で逆転優勝した。1回目は3位だったが、2回目に105メートルの大飛躍でひっくり返した。昨季総合女王で前日の第7戦で高梨を破って優勝したサラ・ヘンドリクソン(米国)が1・6点差の2位。伊藤有希(北海道・下川商高)が12位、小浅星子(ライズ)は23位、渡瀬あゆみ(サッポロスキッド)は27位だった。高梨は今季4勝目で勝率は5割。3位以内も今季7度目で、安定感が際立っている。

 逆転を狙った2回目。K点を越えてからぐいと伸び、ヒルサイズに迫った。高梨は珍しく両手でガッツポーズした。「自分にとって特別な日。どうしても勝たないといけなかった。(45回目の)父の誕生日だったので気合が入った」。父・寛也さんにささげる白星になった。

 前日の第7戦は1回目に最長不倒の99メートルを記録しながら惜しくも2位。優勝したヘンドリクソンとの差はわずかに1・2点だっただけに「着地で順位が決まる接戦だった。しっかりテレマーク姿勢を入れないと上にいけない」と着地のさらなる向上を誓った。

 同じ舞台での再戦。1回目はスタート位置を1~2段下げ、踏み切り時のスピードが他の選手より不利になる分、6・4の加点を得た。100メートルに届かなかったが、トップとは逆転可能な2・3点差につけた。

 1回目の下位から順に飛ぶ2回目は「飛距離で後ろに重圧をかけた方がいい」という渡瀬チーフコーチの判断で、他と同じ位置から発進し、圧倒的な飛距離を稼いだ。続いて飛んだ2人は高梨に飛距離で劣り、逆転優勝が決まった。

 2回とも着地でテレマーク姿勢をきっちりと入れて飛型点でも高得点をマーク。飛び出す直前に助走路の斜度が急変化するヒンターツァルテンは不得手としていたが、この日の2回目は会心の飛躍を決めた。

 「最後のジャンプで克服できた。苦手な台でここまで飛べたことは自信につながる」。今季8戦目で4勝目。幼いころからジャンプを指導してくれた父へのプレゼントは自らにとっても今後につながる1勝となった。

 ▼渡瀬弥太郎・女子チーフコーチ (高梨は)あそこまで飛んであれだけ飛型点を取れたのが大きい。この2日間はいい試合ができた。

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2013年1月14日のニュース