ウッズ、メジャー3年ぶり首位 勝って苦い過去と決別だ

[ 2012年6月17日 06:00 ]

第2ラウンド、通算1アンダーで首位タイのタイガー・ウッズ

USPGAツアー全米オープン

(6月15日 米カリフォルニア州サンフランシスコ オリンピッククラブ=7170ヤード、パー70)
 タイガーがメジャー15勝目へ首位ターンした。3打差の2位から出たタイガー・ウッズ(36=米国)は3バーディー、3ボギーの70にまとめ、通算1アンダー、139でトップに並んだ。15位から出た石川遼(20=パナソニック)は78と大きく崩れて通算9オーバー、73位で1打及ばず予選落ち。71で回った藤田寛之(43)が通算6オーバー、42位で日本勢で唯一、決勝ラウンドに進出した。

 ギャラリーの歓声に応えるようにウッズがパターを左手で高々と掲げた。スコアを2つ落としていた10番パー4。5メートルのバーディーパットはフックラインに乗ってジャストタッチでカップイン。拍手を浴びるとガッツポーズをつくってみせた。199ヤードの13番パー3では1・5メートルにつけて確実にバーディー。難コースをパーでまとめ、メジャーでは09年の全米プロ選手権3日目以来の首位に浮上した。「本当にタフだった。グリーンが乾き風も舞っていて前日とはまるで違うコース。きょうの70は初日の69よりもいい」と胸を張った。

 3番でバーディーを取った後、5番からの3連続ボギーで一時後退した。瞬間湯沸かし器になったのは6番。第3打がグリーン奥まで転がると、クラブを叩きつけようと振り上げ、すぐにわれに返った。流れは最悪だが、ここでズルズルいかないのが今季2勝のウッズの底力。「最初の6ホールは難しい。そこで通算1オーバーなら悪くないと思った。すぐに易しいホールはやってくる」と言い聞かせ、終盤にしっかり取り返した。

 好プレーを支えたのはショットだ。この2日間のフェアウエーキープ率は75%で全体で1位、パーオン率も69%で全体の3位。同組のミケルソンは「うまくボールをコントロールしていた」と脱帽し、ウッズ本人も「これだけ安定したショットが打てるのは久しぶり」と白い歯を見せた。

 メジャーで36ホールを終えた時点で首位に立ったのは過去9度あり、そのうち8度は優勝。データは08年の全米オープン以来4年ぶりのメジャー制覇を後押しする。ただ、首位ターンしながら唯一勝てなかったのが8連勝で迎えた後の09年の全米プロ選手権で、そこで“不敗神話”が途切れた。その後は愛人スキャンダルや故障で不振を極めただけに今回勝つことは苦い過去との決別にもなる。

 ウッズは「まだ半分。他の試合と違って我慢が必要」と気を引き締めた。ただ、「優勝にはとてもいい位置。週末の戦いが楽しみ」との言葉にはメジャー15勝目への自信がみなぎっていた。

 ▼1位J・フューリク 今は42歳。もうそんなにチャンスは残されていないが、まだメジャーに勝つことはできると思う。(03年大会覇者が69をマークしてウッズらに並ぶ)

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2012年6月17日のニュース