ダーレオーエン選手 国民的ヒーローの死に衝撃

[ 2012年5月2日 09:35 ]

 ロンドン五輪の競泳男子平泳ぎで北島康介(日本コカ・コーラ)のライバルとみられていた100メートルの世界王者、アレクサンドル・ダーレオーエン選手が4月30日、合宿先の米国で26歳の若さで急死した。母国ノルウェーでは5月1日、国民的ヒーローの悲報に衝撃が広がった。

 「彼はロンドンでわれわれの大きな希望だった。小さな国のノルウェーは偉大な選手を亡くした」。ストルテンベルグ首相は、地元メディアに追悼の言葉を語った。

 昨年7月の世界選手権(上海)直前に、首都オスロなどで死者77人を出した連続テロが起きた。悲劇に奮い立ち、100メートル決勝で北島に1秒32の大差をつけ、58秒71の好タイムで初優勝。「表彰台で国歌を聞けてよかった。小さな笑顔が国に戻れば」と話し、表彰台で涙した姿は国民の心に今も刻まれている。

 身長190センチ。パワーと技術を兼ね備え、スピードで他を圧倒した。かつて指導したスティグ・レガンゲハンセン・コーチは「彼の心はとても温かかった。周囲の人全てを心地よくさせた」と人柄を惜しんだ。

 前回北京五輪は100メートルで北島に敗れ2位だったが、競泳で母国に史上初のメダルをもたらした。金メダルを狙った今回は五輪まで3カ月を切る中、夢半ばで倒れた。(共同)

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2012年5月2日のニュース