五輪招致不支持の伊首相に英断の声 五輪委員会は「節約大切だが投資も必要」

[ 2012年2月15日 08:50 ]

 多額の公的債務を抱えて財政再建中のイタリアのモンティ首相が14日、2020年夏季五輪のローマ招致を支持しないと表明したことについて、関係者は招致断念につながったことを一様に惜しんだが、一方で「英断を下した」と評価する声も同国内では上がっている。

 「国民の税金を(回収不能の)危険にさらすことはできないと判断した」。首相は14日の記者会見で、政府が五輪開催への財政保証を拒んだことに理解を求めた。

 五輪招致委員会が政府に提出した計画案によると、開催費用は総額98億ユーロ(約1兆円)で、うち82億ユーロが政府負担。スポンサーやチケット収入などで実際の負担は47億ユーロにとどまると強調していたが、政府は首を縦に振らなかった。

 04年のアテネ五輪前後に財政が悪化し、破綻状態にあるギリシャ政府の状況も決定に影響した。

 イタリア五輪委員会のペトルッチ会長は「節約は大切だが投資も必要だ」と無念さを隠さなかった。

 一方で経済紙ソレ24オレの論説委員は「首相は(開催を望む各方面からの)圧力に耐えてノーと言う強い意志を示した」と評価した。(共同)

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2012年2月15日のニュース