ハンド男子 五輪崖っ縁…前半互角も韓国に25連敗

[ 2011年11月3日 06:00 ]

<日本・韓国>ジャンプシュートを放つ宮崎

ハンドボール・ロンドン五輪男子アジア予選最終日 日本21―26韓国

(11月2日 韓国・ソウル)
 24年ぶりの悲願達成は来年に持ち越しとなった。88年ソウル大会以来の五輪出場を目指す日本は決勝で韓国に21―26で敗れ、この予選では出場権を獲得できなかった。来年4月の世界最終予選で再挑戦する。日本は前半を10―11とほぼ互角で折り返して後半も途中まで粘ったが、地力に勝る韓国に突き放された。日本は90年を最後に韓国戦で勝利がなく、2引き分けを挟んで25連敗となった。

 試合終了のホイッスルと同時に青いユニホームの日本選手ががっくりと肩を落とした。21―26。赤いライバルに夢を砕かれた。エースの宮崎は「いけるというのはあったが…。どうしたら(韓国を)抜くことができるのか」と放心状態だった。

 18―31と惨敗した1次リーグでの対戦と違い、立ち上がりでペースをつかんだ。門山の先制点で勢いに乗ると、宮崎の3得点などで序盤は7―4までリード。10―11で折り返した後半には高智のサイド攻撃がさえ14―14に追いつく場面も。90年グッドウイルゲームス以来となる韓国戦勝利も、すぐそこにあった。だが、そこからパスミスが続出。ゴール前で厳しいディフェンスをみせる韓国に、じりじりと差を広げられた。酒巻監督は「前半の終盤から流れが悪かった。相手防御の変化に対する修正に時間がかかり、後手後手になってしまった」と振り返った。

 日本にとって韓国は厚い壁だ。初出場したミュンヘン五輪、続くモントリオール五輪の予選では韓国に負けなしだった。ロサンゼルス五輪の予選では韓国との第1戦に敗れたが、第2戦で快勝。だが立場はソウル五輪で逆転する。地元韓国が2位に躍進したのに対し11位。これを最後に五輪への道は閉ざされる。

 ロンドン五輪出場の可能性は残されているが、格上の欧州勢が相手となる世界最終予選はこれまで以上に厳しい戦いが予想される。長く日本を支えてきた宮崎も30歳。「昔はできたのに、ということがぽつぽつと出てきた」とかすかな肉体的変化も感じている。「五輪に出たら、日本のハンドボールも変わるんだろうな」。宮崎が口癖とする言葉が実現する日は、いつ来るのだろうか。

 ▼男子ハンドボール五輪への道 現在、出場が決まっているのは世界選手権Vのフランス、開催国の英国、パンアメリカ予選1位のアルゼンチンとこの日勝った韓国の4チーム。今後はアフリカ、欧州で来年1月に予選が行われ2チームが加わる。残る6枠は来年4月に欧州で行われる世界最終予選で決まるが、日本は暫定の組み合わせで世界選手権4位のスウェーデン、5位のクロアチアなどと同じ組に入っており、4チーム中2位に入れば五輪出場権を獲得できる。

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2011年11月3日のニュース