藍 新パターで国内シード&米100万ドル“狙い撃ち”

[ 2011年11月3日 06:00 ]

プロアマ戦の18番、新パターでバーディーパットを決め、笑顔を見せる宮里藍

2011ミズノクラシック~伊勢志摩~

(11月4日 三重・近鉄賢島CC)
 国内唯一の全米女子プロゴルフ協会公式戦で、日本ツアーも兼ねる「2011ミズノクラシック~伊勢志摩~」(スポニチ主催)は4日から3日間、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブで開催される。2日のプロアマ戦で新パターを投入した宮里藍(26=サントリー)は、日本ツアーの賞金シード確保と米ツアー3年連続の賞金100万ドル突破を狙う。

 プロアマ戦に出場した宮里は新パターを入念にチェックした。3年ほど愛用してきた、角が生えたような形の大型のヘッドから、かまぼこ型のマレットタイプに変更。短い距離、長い距離の球の転がりを確認し、「打った感じが新鮮でフィーリングが良かった。転がりもいいし、ロングパットでの距離感もいい」と新兵器投入を決めた。

 練習を見守ったコーチの父・優氏(65)も「パターは調子が良い時に替えた方がいい。打ち方が変わるわけでもないし本人の感覚が良ければいい」と宮里の決断にうなずいた。

 自身の国内最終戦となる今大会は大きな意味がある。現在、国内ツアーの獲得賞金は771万6000円でランク69位。04年に賞金シードを獲得して以降、メジャー優勝での資格なども含め7年間守ってきたシードを失う危機にある。永久シード選手の不動が現在7位にいるため、事実上賞金ランク51位までがシードを得る。例年の実績から当確ラインは1500万円程度。今大会の賞金額は7日の為替レートで最終的に決まるものの、2位(単独で賞金10万9523ドル=約855万円)以内がノルマとなる。

 また、2位以内ならもう1つの目標も達成できる。現在、米ツアーでの獲得賞金は94万2312ドル。4位以上(単独で賞金6万1461ドル)で100万ドルを3年連続で突破する。過去日本人選手で年間100万ドルに到達したことがあるのは宮里ただ一人だが、今年も大台をクリアすることになる。

 日米両ツアーを掛け持ちする宮里にとって自分の思い通りに試合を組める賞金シードのメリットは大きい。ただ、「確かに欲しいけど、半分は諦めています。そんな簡単な試合じゃない。でも、半分諦めたくらいの気持ちの方がいいかも」と気負いはない。

 前戦の台湾選手権では地元の期待を一身に背負って、期待通りに勝ったヤニ・ツェンに刺激を受けた。日本のエースとしての責任感はもちろんある。「チャンスはあると思うし、いい意味で自分にチャレンジしたい」。口にこそ出さないが、見据えるのはシード争いの先にある大会初制覇に違いない。

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2011年11月3日のニュース