王さんの応援に応える!大山、2差「優勝したい」

[ 2011年10月23日 06:00 ]

15番、後方で噴水が「V」の字を描く中、バーディーを決め、ガッツポーズを見せる大山志保

女子ゴルフツアー マスターズGCレディース第2日

(10月22日 兵庫県三木市 マスターズゴルフ倶楽部(6458ヤード、パー72))
 雷による2度の中断でサスペンデッドとなり18人がホールアウトできなかったが、12位から出た大山志保(34=フリー)は3バーディー、1ボギーの70で回り、通算2アンダーで首位と2打差の暫定5位に浮上した。肘の故障に苦しんできた06年の賞金女王は、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(71)から届いた激励メッセージに応えるため3年ぶりの優勝を目指す。馬場ゆかり(28=ビックカメラ)が通算4アンダーで暫定首位に立った。
【第2R成績】

 風に振り回され、雨にもたたられながら、大山が元気にホールアウトした。悪コンディションにも負けず2つスコアを伸ばし、首位に2打差の好位置。「風は好きなので途中から凄く楽しくなってきました。ショットもいいし、パットも少しずつ良くなってきました」とコメントも弾んだ。

 1番で2メートルを沈めてバーディー発進。11番でも2メートルにつけてバーディーを奪うなど、ショットメーカーらしくアイアンショットがさえた。16番は3パットで唯一のボギーとなったが「2メートルもオーバーしたし、打ち方が良くなかったですから」と笑って振り返る余裕があった。

 06年に賞金女王となったが、優勝は08年の今大会を最後に遠ざかっている。両肘痛を抱えながらつかんだ08年の栄冠は「世界の王」の言葉によるところが大きかった。大山の地元・宮崎でソフトバンクがキャンプを張っていることから、父・晃さん(72)と交流のある王会長から「賞金女王に一度なったんだから、堂々と強い気持ちを持ってぶっちぎって勝ちにいきなさい」と背中を押された。その言葉通り、持ち前の強気なプレーで臨み、最終日に1打差を逆転して優勝した。

 3年ぶりの優勝に手が届く今年も熱い言葉が届いた。ソフトバンクの優勝を祝して花束を贈ったが、返ってきたお礼状には「優勝を目指してがんばりなさい」という王会長のゲキが記されていた。「丁寧なお手紙を下さったり、誰に対しても感謝の気持ちを持ったり、世界の王さんには見習うことが多い」。スポーツ界の大先輩に対し、尊敬の念は尽きない。

 “空白の3年間”は米ツアー参戦(09年)や左肘手術による約1年間の戦線離脱など、波乱の時を過ごした。賞金シードも手放し、今季は最終予選会を突破して出場権を得た。2週前のSANKYOレディースでは復帰後最高成績の2位となった。王会長の応援に応えるには優勝しかない。「優勝したいです、本当に。あすは攻めるのみです」。3年前と同様に強気のゴルフを貫き、完全復活をみせつける。

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