河井、1差3位!“勘違い”せず、静かにV争い

[ 2011年10月23日 06:00 ]

1番、第2打を放つ河井博大

男子ゴルフツアー ブリヂストン・オープン第3日

(10月22日 千葉県千葉市 袖ケ浦カンツリークラブ袖ケ浦コース(7119ヤード、パー71))
 5月の日本プロで初優勝を飾った河井博大(39=フリー)が、初心に帰って2勝目のチャンスをつかんだ。師匠・田中秀道(40)のゲキと地道な“闇練”の成果を発揮し、ノーボギーの67で通算8アンダーの3位。日本プロ以来となる最終日最終組から、1打差で首位を行く宮本勝昌(39=ハートンホテル)と谷口徹(43=フリー)を追いかける。石川遼(20=パナソニック)は73と奮わず、通算3アンダーの19位に後退した。
【第3R成績】

 夜の駐車場で4番アイアンをぶんぶん振り回している人がいたら、それは不審な人物か、もしくは河井博大に違いない。今週も河井はホテルの横の駐車場で、素振り仲間の岡茂洋雄(42=鷹の巣GC)と夜な夜な“闇練”を繰り返してきた。

 「1人だと警察につかまりそうだから、2人で一緒にやってます。“僕らプロゴルファーなんです”と説明できるように」。涙ぐましい気遣いも2勝目につながれば言うことなしだ。

 派手なバーディーラッシュがなくとも、順位はするすると3位まで上がっていた。1番パー4では2打目でグリーンを大きく外して3メートルのパーパットが残った。これを沈めて出だしのピンチを乗り切ると、最後までノーボギーでまとめ上げた。「ショットの状態はよくないけど、それも受け入れられた。僕のゴルフを丁寧にやった結果」

 その心構えは開幕前日に師匠の田中から電話で叩き込まれたものだ。「勘違いするなよ。おまえは、おまえのスタイルを貫けばいいんだ」。日本プロ優勝の後もしばらく好調が続き、さらに全英オープンや日韓対抗戦にも出場。環境の変化は知らず知らずのうちに「上位にいないといけない」と河井の意識を変えていた。おかげで最近は思うようなプレーもできなくなっていた。

 もともとはプロ16年目でようやく初優勝した苦労人。師匠の言葉がすとんと胸に落ちて「おかげでちょっと落ち着いた」。久々の優勝争いにも「この位置で回れるのはうれしいことだし、あしたはゴルフ人生に生きる大事な1日になる」と勝利を欲張らずに静かにチャンスをうかがう。

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2011年10月23日のニュース