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ボルト まさかのフライング“一発アウト”

<男子100メートル決勝>まさかの失格となり、天を仰ぐボルト(中央)

陸上世界選手権第2日 男子100メートル
(8月28日 韓国・大邱)
 注目の男子100メートルの準決勝と決勝が行われ、世界記録保持者のウサイン・ボルト(25)は決勝でフライングを犯してまさかの失格。前日の予選とこの日の準決勝では順調な走りを見せていたが、決勝では悲劇のヒーローとなった。決勝ではジャマイカの新星、ヨハン・ブレーク(21)が9秒92で優勝。全米選手権の覇者、ウォルター・ディックス(25)が10秒08で2位となった。

 失格者の存在を告げる2度目の号砲。悲劇の主人公は誰の目にも明らかだった。5レーンから飛び出したボルトがユニホームを脱ぐ。フライングによる一発失格を宣告されたのは9秒58の世界記録を持つ伝説の男だった。どよめく場内。思わぬ形で連覇が消滅してしまったボルトは「涙を期待したかい?それは起きそうにないね」と強がってみせたが、そこには“超人”としての威厳は感じられなかった。

 絶対的に有利だった。ライバル視されていた今季世界ランク1位のパウエル(ジャマイカ)と2位ゲイ(米国)はともに故障で欠場。3位マリングス(ジャマイカ)と、4位ロジャース(米国)は薬物違反で参加資格を失っていた。ボルトの今季ベストは9秒88の6位で、ライバルは不在。しかも前日の予選では「完璧なレース」と苦手なスタートが珍しくスムーズにいっていた。ただし、もし焦りを抱かせる要因があったとしたら練習パートナーのブレークの存在だったかもしれない。ボルトは決勝のスタートでしゃがんだ時、隣の6レーンにいたブレークに一瞬、視線を向けている。今季追い風参考ながら9秒80をマークしている有望株。同じ21歳で世界の頂点に立ったボルトの目には4年前の自分自身を見ているような感覚だったのだろう。2位に入ったディックスは「まさか彼が追い出されるとは思わなかった」と驚きの声を上げていた。

 「個人2度目のフライングで失格」という長年のルールが「全体2度目からの失格」に変更されたのが03年。そして昨年から選手の反発をよそに一発失格に切り替わった。スムーズな競技進行には役に立つルールだが、一方でスター選手を簡単に葬ってしまうツールになることも証明してしまった。ボルトは9月2日に200メートルの予選に出場する。「今は何も言うことができない。少し時間が必要だ」。これまで経験したことのないトラウマを抱えてのレースになりそうだ。

 ▼フライングの一発失格 かつては同じ選手が2度目のフライングをした時に失格となったが、2003年から「各レースで1度フライングがあった後は、誰が違反しても失格」と厳格化された。だが同走者を揺さぶるなどの目的で1回目で故意にフライングする選手が後を絶たず、10年に「1回目から即失格」の厳格なルールが適用された。

 ◆過去のフライング
 ☆96年アトランタ五輪 男子100メートル決勝には92年バルセロナ五輪の覇者、L・クリスティー(英国)が進出したが自身2度目のフライングを犯して失格。走ることなく五輪連覇が消滅したが、本人は審判に猛抗議。

 ☆03年世界選手権(パリ) 男子100メートルの2次予選でJ・ドラモンド(米国)が「全体2度目のフライング」を宣告されて失格。「オレはやっていない」と1時間近く抗議した。国際陸連は同年1月にルールを改正。個人2度目ではなく全体2番目のフライングから失格とすることになった。

 ☆11年世界選手権(大邱) 初日の男子100メートル予選1組で10秒19の自己ベストを持っていたA・グリフィス(バハマ)が一発失格。28日の男子400メートル予選5組ではA・ラボサンマ(ニジェール)が、さらに男子100メートル準決勝1組ではD・チェンバース(英国)が同様の理由で失格となった。

[ 2011年8月29日 06:00 ]

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