20年五輪の東京招致見送りも…平昌決定で慎重論

[ 2011年7月8日 06:00 ]

2018年冬季五輪の平昌開催決定を1面で伝える7日付の韓国紙

 18年冬季五輪開催地が韓国・平昌(ピョンチャン)に決まったことを受け、東京都とともに20年夏季五輪招致に意欲を見せていた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は6日、一転して慎重論を展開した。直前にアジアで五輪が開催されることが不利に働くという見方が根強いこともあり、立候補見送りの可能性も示唆した。20年夏季五輪にはイタリア・ローマのほか、スペイン・マドリードなどが立候補の意思を持つとされており、欧州有利の見方もある。

 アジアで3度目の冬季五輪開催を祝福しつつも、JOCのトップに立つ竹田会長の胸中は複雑だったに違いない。立候補を目指す20年の夏季五輪について「平昌の当選を受けても、2年後にアジアの都市に勝算があると判断できれば立候補すべきだ」とした上で「トータルに判断して勝てる方程式ができなければ立候補しないこともある」と続けた。さらに「20年の立候補をやめた場合、24年にはどの都市が出てくるのかなど、全ての要素を考えていきたい」とし、今後再検討する方針を示した。

 JOCは2年前からアジア・オリンピック評議会(OCA)総会を東京に誘致し、各国の要人が集まる14日の総会で20年五輪招致をアピールする青写真を描いてきた。だが、大陸バランスを考えれば同じ東アジアでの連続開催は厳しい。近年の傾向をみると、夏と冬の五輪開催都市は88年ソウル、98年長野、08年北京、18年平昌と、アジア開催は10年間隔。竹田会長の発言は現実を踏まえたものとも言える。

 しかし、東京都の幹部は「20年は欧州に戻る可能性が高くても、出ないと24年につながらない。JOCが弱気になってもらっては困る」とも打ち明ける。20年にはローマ、マドリードなど欧州の大都市が意欲を見せている。16年リオデジャネイロ(ブラジル)、18年平昌と連続して欧州を離れるだけに、欧州有利の見方は根強いのも事実。いずれにせよ、20年五輪の立候補期限は、今年9月1日に迫っている。

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2011年7月8日のニュース