力士らに剣道範士が戒め「相撲の社会は、ちょっと遅れていた」

[ 2011年5月30日 18:24 ]

八百長再発防止のための研修会で講話を聞く(前列左から)横綱白鵬関、琴欧洲関、魁皇関

 大相撲八百長問題の再発防止策の一つとして、力士、親方ら日本相撲協会の全協会員約千人を集めた研修会が30日、東京・両国国技館で開かれ、講師を務めた剣道範士の井上義彦・静岡県剣道連盟相談役顧問(83)は「人の道から外れるような勝ち方は絶対に避けなければならない」などと話し、同じ武道という観点から八百長を戒めた。

 井上氏は、勝ちたいというのは人間の本能で、手段を選ばないことに陥りやすいと講話。剣道の世界では小学生から指導者に至るまで、年代別に繰り返し講習会を実施し、汚い勝ち方の防止に努めているという。同氏は「相撲の社会は、ちょっと遅れていたと思う」と、厳しく指摘した。

 相撲協会の二所ノ関監察委員長(元関脇金剛)も「みなさんも武士道にも通じる相撲道というものを心の糧に、毎日をしっかり送ってほしい」と訴えた。

 最前列で聴講した横綱白鵬関は「話を聞けてうれしく思った。相撲も白黒はっきりしていて(剣道に)通じるものがある。本当に一人一人が(危機感を)認識して、やっていけばいいと思う」と、気を引き締めていた。

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2011年5月30日のニュース