目は真っ赤の親方「悔しい」 元幕下力士は「歴代の協会幹部も同罪だ」

[ 2011年2月6日 18:04 ]

大相撲・春場所中止

 大相撲春場所中止が正式決定した6日、開催地・大阪で準備に追われていた関係者は苦渋の表情を浮かべ、ファンからは「中止は当然」との声も上がった。

 春場所会場の大阪府立体育会館(大阪市浪速区)。日本相撲協会の「先発事務所」では、担当の親方らが2000~3000枚のポスターを配布するなど準備を進めていた。

 この日、中止の決定が伝わると事務所は重苦しい空気に包まれた。取材に応じた富士ケ根親方(元小結大善)は、目を赤くし沈痛な面持ちで「苦しい稽古をしてきた力士たちの気持ちを思うと悔しさが込み上げる」。

 「開催してほしい」という激励も数十件寄せられていたといい「本当に申し訳ない。関係者への謝罪やチケット回収などを一つ一つやるしかない」と肩を落とした。

 体育会館の掲示板には「日本相撲協会内の不祥事により中止することを決定しました」と書かれた紙が張り出された。

 小学6年から毎年春場所を観戦しているという伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸(47)は「初日は寒くても千秋楽には桜が咲き、春場所は大阪の春の風景だった。3月に相撲がないのは経験がない」と困惑した様子。「ファンは5月場所の中止も覚悟している。覚悟がないのは八百長にかかわった本人だけだ」と厳しい口調で語った。

 毎場所テレビ観戦するという大阪府高槻市の無職西村豊さん(67)は「中止は当然。八百長をやるようではスポーツではない。そんな力士がいる相撲を見せられても冷めてしまう」とあきれ顔。

 大阪府松原市で子供の相撲教室を開いている元幕下力士の江元英二郎さん(55)は「八百長のうわさは自分が現役のころからあった。長年見逃してきた歴代の協会幹部も同罪だ」と切り捨てた。

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2011年2月6日のニュース