八百長認めた竹縄親方ら3人除名処分へ 現行制度で初

[ 2011年2月6日 06:00 ]

会議を終えて会見する特別調査委員会の(右列左から)山本委員、伊藤座長、吉野委員

大相撲・八百長疑惑

 日本相撲協会は6日の臨時理事会で、八百長関与を認めた竹縄親方(元幕内・春日錦)、十両・千代白鵬、三段目の恵那司の3人に対し、賞罰規定で最も重く、現行制度では過去に適用されたことがない“除名処分”を下す意向であることが分かった。この日、特別調査委員会の伊藤滋座長も会議後の会見で、3人が特別調査委の面接調査に対しても八百長関与を認めたことを明言。協会関係者によると、既に協会は臨時理事会終了後に評議員会の招集も予定しており、3人に対し評議員会での4分の3以上の特別決議で決まる除名処分を言い渡すとみられる。除名処分は角界からの追放を意味し、退職金も一切支給されない。

 相撲協会の寄付行為にある「故意による無気力相撲懲罰規定」では理事会の決議だけで力士に対し除名処分を下すことができると定められている。だが、これは相撲競技監察委員会の提出した無気力相撲に関する結論に基づいて懲罰を決定する場合で、今回のケースは該当しない。相撲協会によれば、明治時代初期に別団体を結成した関脇・小柳、前頭・高砂らが除名された例があるという。

 また、八百長を否定しながらも関与が決定的とみられる十両・清瀬海ら数人の力士には、解雇処分ではなく、引退勧告が検討されている。ただ、特別調査委による調査が進んでいないことから、3人以外の処分については流動的な部分もある。いずれにしても、現行制度では初めてとなる最も重い処分が下されることになった今回の八百長問題が、長い歴史を誇る大相撲界の最大の汚点となることだけは確かだ。

 ≪理事長、姿見せず≫日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)はこの日は両国の相撲協会に姿を見せず、都内の自宅で休養した。午後に放駒部屋を訪問した協会広報は「さっきまで寝ていたとのこと。相当疲れています。6日は休みなので外出しません」と説明した。6日の臨時理事会には出席する。

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2011年2月6日のニュース