「完全解明まで全場所中止だ!」市民から怒りの声

[ 2011年2月6日 06:00 ]

白紙のままのチケットの売れ行きを示すボード

大相撲・八百長疑惑

 八百長問題で揺れる相撲界について5日、市民からも厳しい声が上がった。日本相撲協会は6日の臨時理事会で大相撲春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)開催中止を決定する方針だが、「春場所だけでなく、疑惑の全容解明が終わるまで場所を開催すべきではない」「公益法人の資格を取り消すべき」などの意見が相次いだ。

 国技館のある東京都墨田区横網。近くの商店に買い物にきたという江東区の主婦(57)は野球賭博に続く疑惑に「大相撲は毎日、テレビで見ていて、時々、観戦もしたけどもううんざり。真剣勝負じゃないのが分かって見る気がなくなった。春場所中止は当然」と怒り心頭。港区の無職男性(62)も「親方も関取も全員が相撲教習所でやっていいことと悪いことを学び直すべき。角界全体で世間とのズレを認識してほしい」と話した。墨田区の主婦(67)は「ちゃんとやっている人もいるはずで、そういう人が気の毒。とにかくきれいになってまた皆を楽しませてほしい」と同情的な声もあった。

 東京・新橋では、横浜市の男性会社員(43)が「まず警察OBら外部の人に、力士全員の携帯電話、銀行通帳を調べてもらい、全てをはっきりさせてから場所を開催するべき。1人でも携帯や通帳の提出を拒んだら、公益法人でなく、プロレスのような民間団体としてやり直せばいい」と憤慨。大田区の男性会社員(32)は「大相撲は、もはやスポーツではなくてショー。国技という看板は下ろしていいのでは」と突き放し、江戸川区の女性会社員(28)は「いつも問題が起きるとグレーな印象なので今度こそ白黒つけてほしい。相撲の勝敗は白黒はっきりしてるんだから。あっ、でも八百長か」と複雑な表情を見せた。

 一方、大阪には落胆が広がり、大阪府立体育会館向かいで喫茶店を経営する古川義治さん(79)は「大阪は景気が悪い。場所中はいつもの2倍の客でにぎわうので、何とか開催してほしい」と肩を落とした。

 昭和以降の本場所中止は1946年の夏場所に続き2回目となるが、当時は戦後間もない時期で被災した旧両国国技館の修理が遅れ中止を余儀なくされた。

 元NHKアナウンサーで東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博さん(80)は「当時とは事情が違い、今回の中止は前代未聞と言っていい。先人が続けてきた伝統文化の大本が揺らいだ」と嘆いた。

 ≪アネックスでも83%「春場所中止すべき」≫「スポニチ・アネックス」では「春場所は開催すべきか中止すべきか」と「日本相撲協会の公益法人資格を取り消すべきか、取り消さなくてもよいか」の緊急アンケートを実施した。春場所については約83%にあたる107人が「中止すべき」と回答し、公益法人資格については約80%の103人が「取り消すべき」と回答した。

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2011年2月6日のニュース