同部屋の3人が賭博の中心 「相撲は真剣」と高評価

[ 2011年1月26日 11:38 ]

 賭博開帳図利などの疑いで逮捕された元十両古市貞秀容疑者(34)と元幕下山本俊作容疑者(35)は、同期入門で親しい間柄だった。元幕下藪下哲也容疑者(29)とともに賭博の中心だったとされるが、いずれも阿武松部屋の現役時代は、相撲に対する真剣な姿勢が評価されていたという。

 相撲協会関係者らによると、古市容疑者は、父親が大阪で開いたアマチュア相撲道場で、兄の元力士満朝被告(38)=恐喝罪で公判中=とともに汗を流した。学生相撲で活躍し、1998年に「古市」のしこ名で角界デビュー。2001年と02年は十両の土俵を踏んだ。

 関係者は「小柄ながら研究熱心な技巧派として知られていたのに。こんな事態になるとは残念」と話す。

 藪下容疑者は石川県出身で、97年に初土俵。しこ名は「松緑」で、幕下では有望株の一人だった。2人とも野球賭博への関与が発覚し、古市容疑者は解雇処分、藪下容疑者は謹慎処分を受けて現役引退している。

 山本容疑者は現役時代のしこ名は「梓弓」。奈良県出身で、学生時代は野球、アメリカンフットボールの選手として鳴らした。03年に幕下31枚目まで番付を上げ、ひざの大けがを克服しての序ノ口優勝も経験したが、06年に引退した。

 転機となったのは、現役時代の名古屋場所。捜査関係者によると、飲食店で知り合った暴力団組長と親密になり野球賭博を教わったという。休場中の05年に仲介役を引き受け、元琴光喜関らを客にしたとされる。

 組長の死後も賭博の主催を続けたが、客の一人だった満朝被告と負け金の回収をめぐってトラブルとなり、元琴光喜関への恐喝事件に発展。一連の問題が発覚する契機となった。

((了)(H)(07)110126 111913

 【編注】▽古市貞秀(ふるいち・さだひで)▽山本俊作(やまもと・しゅんさく)▽藪下哲也(やぶした・てつや)▽満朝(みつとも)▽松緑(まつみどり)▽梓弓(あずさゆみ)

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2011年1月26日のニュース