元力士を逮捕 野球賭博主催の疑い 客も書類送検方針

[ 2011年1月26日 10:55 ]

 大相撲の野球賭博事件で、警視庁組織犯罪対策3課は26日、力士らから賭け金を集めたとして、賭博開帳図利の疑いで、元十両力士「古市」の古市貞秀容疑者(34)と母米子容疑者(63)、元幕下「松緑」の藪下哲也容疑者(29)を逮捕。同ほう助の疑いで、元幕下「梓弓」の山本俊作容疑者(35)を逮捕した。3人の元力士は阿武松部屋に所属していた。

 一連の事件では、賭博の客だったとされる元大関琴光喜関(34)に口止め料を要求したなどとして、元力士の古市満朝被告(38)や指定暴力団山口組系組幹部らが恐喝容疑で逮捕、起訴された。賭博行為そのものの立件は初めて。

 警視庁は、4人を通じて野球賭博をした現役力士らを近く賭博容疑で書類送検する。日本相撲協会の調査に対しては元琴光喜関ら33人が野球賭博をしたと認めており、立件の可否を検討する。

 古市容疑者は満朝被告の弟で、野球賭博に関与したとして日本相撲協会を解雇された。山本容疑者は恐喝事件の被害者とされ、公判では元琴光喜関らに賭博をさせたことを認めている。

 組対3課は、4人が角界にまん延した野球賭博の事実上の胴元と判断。山本容疑者が数年前、指定暴力団山口組弘道会系組長から教わった野球賭博を部屋の力士らに広め、その後、古市、藪下両容疑者も胴元役をするようになったとみて、実態の全容解明を進める。

 藪下容疑者と山本容疑者の逮捕容疑は2009年4~5月、力士ら6人にプロ野球41試合の結果を予想させ、計約100万円を集めるなどした疑い。古市容疑者と米子容疑者の逮捕容疑は、昨年5月の6試合で3人に計約20万円を賭けさせた疑い。いずれも「間違いありません」と容疑を認めている。

 米子容疑者は古市容疑者に誘われて賭博に関与しており、賭け金を管理する「会計役」だったとみられる。

 同課は26日、4容疑者宅を家宅捜索した。

 事件は昨年5月、週刊誌報道で発覚。相撲協会は同7月、元琴光喜関と元大嶽親方を解雇するなどの処分を出した。

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2011年1月26日のニュース