すし詰め北の湖部屋“寝床争奪戦”勃発?

[ 2010年6月3日 06:00 ]

木瀬部屋の布団を北の湖部屋に運び込む力士ら

 暴力団関係者への転売問題で消滅した木瀬部屋の力士27人らが2日、受け入れ先となった北の湖部屋に引っ越した。北の湖部屋は旧木瀬部屋の27人を含めると力士数が計46人に増大。これまで幕下以下が寝床としていた2階大広間に力士が入りきらず、序ノ口と序二段の約10人が1階稽古場の上がり座敷などに寝床を追いやられることが決定。角界一の大所帯となった新・北の湖部屋は寝床をも争う壮絶な“番付社会”となった。

 旧木瀬部屋の力士が引っ越してきたことによって計46人の大所帯となった北の湖部屋で、新たに“寝床争奪戦”が繰り広げられることになった。以前は約40畳ある2階の大広間を幕下以下の力士18人で使っていたが、木瀬部屋を吸収合併したことで幕下以下の力士は計42人に増加。この日、旧木瀬部屋の力士は北の湖部屋への引っ越しを完了したが、2階の大部屋にすべての力士が入れるはずもなく、番付下位の一部の若手力士が1階稽古場の上がり座敷に自分の布団を持って移動する事態に陥った。
 角界一の大所帯となることが決まり、北の湖部屋では3階にある納戸の荷物を撤去。当初はその場所に転属してくる幕下力士を入れて、あとは2階の大部屋に詰め込むはずだった。しかし、この日、北の湖部屋の関係者は「全部入りきらなかったので序ノ口と序二段の一部の力士が1階の稽古場上がり座敷や、ちゃんこ部屋で寝ることになった」と説明。引っ越してきた力士は冬物の衣服を旧木瀬部屋に置いてくるなど、可能な限り荷物を減らして来たがそれでも収まり切らなかった。
 序ノ口は現在、旧木瀬部屋の棚橋のみだが、序二段力士は両部屋合わせて計17人。そのうちの約10人が1階の上がり座敷や、ちゃんこ部屋を寝床とする生活を強いられることになる。北の湖部屋のある力士は「序二段で誰が下の部屋に行くかは、これから親方と相談して決めます」と話したが、相撲界の慣例として番付順となることが濃厚だ。
 稽古は3日から再開する。突如として大所帯となった新・北の湖部屋。若い衆にとっては自分の寝床を確保するためにも稽古に精進する日々が始まることになりそうだ。

 ≪番付次第で変更≫6月28日には名古屋場所(7月11日初日、愛知県体育館)の番付が発表される。現時点での番付は夏場所の成績が反映されておらず、1階稽古場上がり座敷に寝床を追いやられる力士が変動する可能性がある。現在の番付では下から数えて10人目となる序二段56枚目の天領は夏場所4勝3敗で勝ち越し。下から11人目となる序二段51枚目の二十嶽は2勝5敗と負け越しただけに番付の変動により寝床も変更してしまうのか…。

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2010年6月3日のニュース