移籍問題で苦しんだ立石 練習に専念できる環境整う

[ 2010年6月3日 18:44 ]

 競泳のジャパン・オープンは4日、東京辰巳国際水泳場で開幕する。3日は、4月の日本選手権で男子平泳ぎ五輪2大会連続2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)を抑えて3冠を果たした立石諒(NECグリーン)らが、会場で練習した。立石は「日本代表として恥ずかしくないレースがしたい」と抱負を述べた。北島は欧州グランプリに出場するため、今大会は欠場する。

 新所属先のNECグリーンのロゴがついたTシャツを着て、男子平泳ぎの立石諒は曇りのない表情を浮かべた。移籍問題で精神的に苦しんだだけに「コーチがいない時期が長かったので、いてくれるだけでうれしい」と笑った。4日からの競泳のジャパン・オープンは練習に専念できる環境を手に入れて迎える最初の大会となる。
 昨冬に長年所属したクラブをやめたが、移籍先がなかなか見つからなかった。担当コーチ不在のまま4月の日本選手権に臨み、日本代表入りは「無理だと思っていた」。
 しかし100メートルは59秒84、200メートルは2分9秒21と好タイムを出し、第一人者の北島康介(日本コカ・コーラ)を退けて、50メートルを含めて3種目を制した。日本水連の上野広治競泳委員長は「世界に通用するという練習はしていない。それでも結果を残した。彼には隠れた才能があるのでは」と驚いた。
 新たに専属となった高城直基コーチは平泳ぎの元選手。立石は「お互いに考えながら練習をしている。僕にとってはやりやすい」と歓迎した。高城コーチは8月のパンパシフィック選手権(米国)まで同行して立石を指導する。恵まれた才能をさらに伸ばせる環境は整ったと言えそうだ。
 5月初旬に体調を崩し、調整は十分ではないが、再出発の舞台でぶざまなレースはできない。慶大3年生は「納得のいくレースをしたい」と言葉に力を込めた。

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2010年6月3日のニュース