「責任持って券扱うように」発覚後、相撲協会が要請

[ 2010年5月29日 17:24 ]

 大相撲名古屋場所で、手配した特別席入場券が指定暴力団山口組弘道会幹部に渡ったとして、木瀬親方(40)=元幕内肥後ノ海=ら2人の親方が処分された問題で、幹部の観戦が一部報道で発覚した後の昨年秋、日本相撲協会が「特別席入場券を責任を持って扱うように」と、販売した名古屋市の相撲案内所に要請していたことが29日、分かった。

 案内所店主が明らかにした。相撲協会は「正式に広報しておらず答えられない」としている。

 特別席は一定額以上の寄付をした後援者の「維持員」用で、一般販売はないのが建前。しかし実際には案内所が権利を預かり入場券を入手、一部関係者に販売していた。店主は権利維持の寄付金を負担していたという。

 店主が販売したのは、暴力団に渡った2ルートのうち、親方を介さず遊技業関係の会社員が仲介したルート。店主は「テレビに映る席をと頼まれた。暴力団に渡るとは思わなかった」と話した。

 県警は2004年に特別席で暴力団幹部の姿を確認。少なくともこのころから入場券が暴力団に渡っていたとみている。

 相撲協会は特別席入場券の転売を防ぐため、7月の名古屋場所から入場券に氏名を記載するなどの対策を決めている。

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2010年5月29日のニュース