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ザック氏 日本の諦めない姿勢を評価 “アウトサイダー”では宏樹&大迫が印象的

[ 2018年6月30日 10:30 ]

W杯1次リーグH組   日本0―1ポーランド ( 2018年6月28日    ボルゴグラード )

ザッケローニ氏が印象的と語った酒井宏(中)(撮影・西海健太郎)
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 14年ブラジルW杯で日本代表を指揮したアルベルト・ザッケローニ氏(65=現UAE代表監督)が西野ジャパンの1次リーグの戦いぶりを総括。自らが率いた14年よりチームが成熟していると評した。

 日本は3試合を通じて、最後まで諦めない姿勢を見せた。これこそが1次リーグを突破できた要因で、今後も継続すべき忘れてはならない重要ポイントだ。

 とくに第2戦のセネガル戦(2―2)は、私がもっとも印象を受けた試合で、その諦めない姿勢を強く感じた。2度のリードを許しながらも最後に追いついたのは、チームが強いパーソナリティー(持ち味)を持っていた何よりの証拠だ。

 初戦のコロンビア戦は確かに運も味方となった。開始3分で11人対10人の数的有利な状況となるのは大きなアドバンテージ。しかもそのあと、コロンビアは大きなミスを犯した。1―1の状況で、1人少ないにもかかわらず、FWバッカを入れて勝ちにいった。このことで日本に大きなスペースを与えることになった。

 西野監督はポーランド戦で先発を6人入れ替えた。6人は決して少なくない数字だ。1次リーグ突破へ有利な状況だったので、主力を休ませたいといった、西野監督なりの計算があったのだろう。ただ決して奇麗な試合ではなかった。終盤はプレーすることをやめ、現状を維持することに努めた。ポーランドも前半は全くやる気がなく、ゴールを決めたあとは白星を死守するだけだった。いずれにせよ名誉を挽回した(川島)永嗣のプレーには、私も満足している。

 今の日本のメンバーは、私が指揮していたときとそれほど変わらないが、私のチームの方がDFラインを高く保った、よりオフェンシブなチームだった。今のチームはそのときと比べ、より注意深さが加わったチームと言っていいだろう。1次リーグ3試合で最も印象に残った選手は、元々期待が大きかった主力を除いたアウトサイダーの中では(酒井)宏樹と大迫だ。(吉田)麻也も常に良いパフォーマンスを見せているが、彼の実力は我々もよく知っているし、元々これぐらいできる力はあった。

 日本は周囲の予想に反して1次リーグを突破したが、私からすれば決してこれは偉業ではない。偉業はベルギーを撃破してベスト8に進出することだ。(14年W杯ブラジル大会日本代表監督)

 ◆アルベルト・ザッケローニ 1953年4月1日生まれ、イタリア・メルドラ出身の65歳。83年に当時4部のチェゼナーティコの下部組織で監督業をスタート。ウディネーゼを経て98〜99年シーズンにACミランの監督に就任し、1年目でリーグ優勝。その後ユベントスなどで指揮し10年8月に日本代表監督に就任。14年W杯ブラジル大会は1次リーグ敗退で大会後に退任。16年は北京国安を指揮し、昨年10月にUAE代表監督に就任した。

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2018年6月30日のニュース