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【オシムの助言2】短時間で連続失点…日本に原因あったはず

[ 2014年6月18日 11:01 ]

コートジボワール戦でベンチから指示を出すザッケローニ監督(中央)

W杯1次リーグC組 日本1―2コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 1次リーグ突破へ厳しい立場に追い込まれたザックジャパン。第2戦のギリシャ戦に向けての対策、そしてコートジボワール戦で突きつけられた課題を元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)が分析。急ピッチでチームの立て直しに取り組む日本代表に、名将は自分たちを信じ、動揺するなとアドバイスした。

 【コートジボワール戦の教訓】 初戦の相手がコートジボワールと決まった時点で、私は日本にも付け入る隙があると考えていた。それは、相手選手の多くが欧州でプレーしており、金銭的には不自由しなくなり、自分たちを一流とみなすところから隙が生まれるだろうと考えてのことだ。コートジボワールが日本を見下し、尊大でごう慢な態度を取ってきたときこそ、チャレンジャーとしての日本のチャンスが生まれると、そう考えていた。

 しかし、ラムーシ監督は良いチームをつくってきた。アフリカのチームに少なくない自分勝手で散漫な傾向を抑え、規律あるプレーができるように訓練した。あるいは、そういうモノサシで選手を選考したのかもしれない。

 コートジボワールは日本を見下すどころか、よく研究していた。その「証拠」は、例えば日本の失点の場面だ。同じパターンで左サイドを破られ、クロスからのヘディングシュートを連続して決められたのは偶然ではないだろう。その際、なぜ短時間に連続して同じパターンで失敗を繰り返すことになったのかは、日本の側に原因があったはずだ。

 意図してかどうか、コートジボワールは日本の「強いサイド」を狙ってきた。長友と香川のいる左サイドは攻撃が強力な半面、背後の守備は手薄になる。日本にとって自信を持っていた部分が破られると、精神的打撃も大きい。

 得点のきっかけをつくったのは国民的英雄ドログバだったが、そのドログバを先発から外し、後半途中から出場させて試合を決めさせるという采配も、ラムーシ監督の考えていた以上に的中した。まんまとゲームプランに沿った試合運びをされてしまった。

 日本はどうだったのか。もちろんザッケローニ監督は対策を怠っていなかっただろうが、コートジボワールに「簡単に勝てる」と思い込んでいた者はいなかったのか。リスペクトを欠くようなことがなかったのか。心配があるとすればその点だ。

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2014年6月18日のニュース