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新爆撃機だ!ミュラー“ハット1号”で連続得点王も視野

[ 2014年6月18日 05:30 ]

ポルトガル戦で後半33分にゴールを決め、ハットトリックをしたドイツ代表ミュラー(左)(AP)

W杯1次リーグG組 ドイツ4―0ポルトガル

(6月16日 サルバドル)
 ドイツのFWトーマス・ミュラー(24=バイエルンM)が今大会初のハットトリックを達成し、チームを4―0の快勝に導いた。強豪同士の激突となった16日(日本時間17日)のポルトガル戦で、前半12分にPKを成功させると、相手DFの視野から消える「ステルス爆撃機」を思わせる神出鬼没の動きから、さらに2ゴールを重ねた。ドイツは史上初のW杯通算100試合を61勝目(19分け20敗)で飾り、90年イタリア大会(当時は西ドイツ)以来4度目の優勝へ好発進した。
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 背番号13が躍動した。W杯通算14得点の「爆撃機」ゲルト・ミュラーや、02年日韓大会準優勝の立役者バラックらがつけたエースナンバーを背負う男。ミュラーは前半12分にPKで先制弾を決めると、2―0の同46分に左クロスに反応し相手DFのクリアを阻んで蹴り込み、後半33分には右クロスをGKがはじいたこぼれ球を押し込んだ。

 ドイツのW杯通算100試合、自身の代表通算50試合となる節目の一戦で今大会第1号、W杯自身初となるハットトリックを達成。難敵を粉砕し「強豪相手の初戦で3点も取れてうれしい。チャンスをしっかりものにできた」と上機嫌だった。

 本来のポジションは2列目。この日は1トップに入ったが、自ら「隙の探知機」と称す神出鬼没ぶりを発揮した。2、3点目はいずれも相手DFの背後に位置取り、クロスが入った瞬間にDFの前に走り込む形から決めたものだ。

 後半37分に退いたにもかかわらず、スプリント回数は両チーム最多の47回。ポジショニングの修正を繰り返し、DFとの駆け引きを制したからこそのゴール。レーブ監督は「彼はいつも相手にとって危険な場所にいる。非常に型破りな選手で、相手が予想しない動きをする。私でも予想できないよ」と絶賛した。

 マン・オブ・ザ・マッチを受賞したFWは前半37分の相手DFの退場劇でも重要な役を演じた。接触プレー後、ぺぺに頭突きされた場面を振り返り「なぜぺぺが近づいてきたのか分からない。それは彼の秘密であり続けるだろう」と言葉を選びながら「レッドカードも勝つための重要なステップだった」と漏らした。

 W杯通算7試合8得点。20歳で初出場した前回大会は5得点3アシストで史上最年少得点王とベストヤングプレーヤーに輝いた。初めて2度目の得点王となる可能性もあるが「既に手にしたトロフィーを再び獲得する必要はない。目指すのは優勝だ」と訴える。過去2大会は3位。欧州予選は9勝1分けの無敗突破で強さを見せつけた。開幕前は格下のポーランド、カメルーンと引き分けるなど調子が上がらなかったが、不安は一掃。大舞台に強い点取り屋がドイツを加速させた。

 ▽トーマス・ミュラー 1989年9月13日、ドイツ南西部 バインハイム生まれの24歳。10歳でバイエルン  Mの下部組織に入り、08年 に18歳でトップチームデビュー。3度の国内リーグ戦 優勝や13年の欧州CL制覇に 貢献。大学入学資格「アビトゥア」を取得するなど学業も優秀。10年3月の親善試合アルゼンチン戦でドイツ代表デビュー。国際Aマッチ通算50試合20得点。元西ドイツ代 表FWゲルト・ミュラーとは血縁関係 はない。1メートル86、75キロ。

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