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香川 V弾&全得点絡んだ!闘病から回復友人に贈った

[ 2014年6月4日 05:30 ]

<日本・コスタリカ>後半35分、日本・香川が勝ち越しゴールを決める

国際親善試合 日本3―1コスタリカ

(6月2日 米国・タンパ)
 12日に開幕するW杯に向けて米国合宿中の日本代表は2日(日本時間3日)、タンパ市内でコスタリカ代表と親善試合を行い、3―1で逆転勝利を収めた。左サイドで先発したMF香川真司(25=マンチェスターU)が決勝弾を含む全得点に絡む活躍。後半35分に右足で国際Aマッチ2試合ぶりのゴールを決め、先制弾と3点目の起点にもなった。チームは6日(同7日)にザンビア代表と親善試合を行い、7日(同8日)にブラジル入りする。

 小さくジャンプして控えめに拳を握った。1―1の後半35分、香川が柿谷とのワンツーで最終ラインを突破。絶妙の右足トラップから素早く右足を振り、右隅に流し込んだ。PKで得点した3月5日のニュージーランド戦以来2試合ぶり、流れの中では昨年9月10日ガーナ戦以来7試合ぶりの一撃。「流れの中で点を取れたことは何よりも大きかった。選手間のイメージが共有できてポジティブな結果が出た。W杯に向けて良いイメージが持てた」と胸を張った。

 全得点に絡んだ。後半15分には本田への正確なサイドチェンジで遠藤の同点弾を演出。後半ロスタイムには岡崎へのフィードで柿谷のダメ押し弾の起点になった。連日の2部練習でフィジカル的に追い込んだ鹿児島・指宿合宿(5月21~25日)の影響もあり、体は重いまま。5月29日の米国入り後も13時間の時差に苦しみ、眠れない日々が続いている。体調の悪い中で結果を出し「コンディションが最悪の中でも意外と動けたことは良かった。これからもっと動きの切れや質が良くなっていくのかなと思う」と手応えを口にした。

 仲間の回復を祝う一撃でもあった。昨夏、親交のある元J2熊本MF斉藤紀由氏(31=飲食店経営)が悪性リンパ腫の宣告を受けたが、先月末までに完治。香川は闘病中に日本代表のサイン入りユニホームを贈るなど勇気づけていたが、治療の副作用で髪が抜けた際に鳥山明氏の漫画に登場する架空の人物「クリリン」に仮装して周囲を笑わせるなど常に前向きな友人の姿勢に逆にパワーをもらっていた。今季は所属するマンUでは07年のプロデビュー以降初のリーグ無得点に終わったが、心は折れなかった。斉藤氏と同様に逆境をはね返し、この日の復活弾につなげた。

 6日のザンビア戦を経て、7日に決戦地ブラジルに入る。前回大会でサポートメンバーに甘んじた香川にとっては初のW杯の舞台。「課題はあるので満足してはいけない。本当に大事なのはコートジボワール戦。しっかりと準備して初戦を迎えられるようにしたい。自分自身はまだ危機感が強い」と満足はしていない。得点後の控えめなパフォーマンスは、おごり高ぶらない気持ちの表れ。全身から歓喜を爆発させるガッツポーズは本番まで取っておく。

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