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柿谷 1トップは俺っす!決勝アシスト&自らダメ押し弾

[ 2014年6月4日 05:30 ]

<日本・コスタリカ>後半ロスタイム、日本・柿谷がゴールを決める

国際親善試合 日本3―1コスタリカ

(6月2日 米国・タンパ)
 出番が来るのを待っていた。1―1で迎えた後半31分、大迫に代わって日本代表の柿谷がピッチへ入る。

 直後の35分に香川とのワンツーパスでいきなり逆転弾をアシスト。試合終了間際のロスタイムには、香川からのパスで岡崎がつぶされ、そのこぼれ球に反応した。「ひっくり返すことだけ考えていた。残り時間が少ないといっても逆転するためには十分やった」。GKとの1対1を右足で冷静に決め、昨年11月19日の親善試合ベルギー戦以来となるAマッチ通算5点目でダメを押した。

 窮地に立たされていた。1トップの先発最有力候補と言われながら、今季はリーグ戦で開幕から13試合1得点。先発した5月27日の親善試合キプロス戦でも好機を逃し、大久保の台頭もあって存在感は薄まる一方だった。周囲の不安と心配が高まる中、途中出場から1得点1アシストの活躍。大仕事をやってのけて胸をなで下ろした。

 追い込まれていても、原点だけは忘れていなかった。「練習より試合が好きだった」という小学生時代。明けても暮れても、母の車に乗せられ、時にはバスに揺られ、C大阪ジュニアへと通い続けた。上級生に交じってプレーし、褒められればさらに上を目指した。「(W杯が)楽しみなんで。全部を楽しみたい」。サッカーを愛する姿勢は、かつてない重圧がかかっても変わらなかった。

 大迫や大久保という競争相手がいる状況下で、再び1トップとして存在感を示した背番号11。だが、大舞台を前に慢心は一切ない。「90分間、試合に出たわけじゃない。代表でのゴールはうれしいけど、もっともっと貢献できるように頑張りたい」。全てはW杯で輝くために――。プレッシャーを解き放ったFWが、さらにギアを上げていく。

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