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本田「キツかったですね」 遠藤弾アシストだけ…切れなし

[ 2014年6月4日 05:30 ]

<日本・コスタリカ>後半、ゴール前で倒れ込む本田。右は香川

国際親善試合 日本3―1コスタリカ

(6月2日 米国・タンパ)
 試合後、日本代表の本田は「体調面は何%くらいか」という記者団の質問に「キツかったですね」と苦笑いを浮かべながら一言だけ残した。

 試合開始からキャプテンマークを巻いての出場はVVVフェンロ(オランダ)時代の09年以来。ザッケローニ監督は主将任命の意図については「長谷部も遠藤も長友もいなかったから本田の順番だった」とし、「凄い疲れていたけど、クオリティーの面では90分の中でドンドン良くなっている」と変わらぬ信頼を口にした。だが、前方の一点だけを見つめて取材エリアを通り過ぎた本田の表情からは満足感など見受けられなかった。

 「要所、要所では良いプレーも出ていた」と振り返ったある主力選手の言葉が本田の現状を的確に表している。単発では好シーンを演出しても、1試合通じて圧倒的な存在感は発揮できなかった。後半15分には右サイドからの丁寧なグラウンダーのクロスで遠藤の同点弾をアシスト。自らの得点はならなかったが、前半27分にはゴール前でパスを受けてからGKを抜き去り決定的なチャンスもつくった。一方で、執拗(しつよう)なマー クを受けた前半は、パスを受けても前を向くことができず、ボールを失う場面も多かった。厳しい展開でこそ頼りになる本来の力強さは影を潜めたままだ。

 所属するACミランでは終盤に出場機会が激減したこともあり、2試合連続フル出場は約2カ月ぶりとなった。5月27日の親善試合キプロス戦では「我が家」というトップ下でフル出場もパスミスやトラップミスなど“らしくない”プレーを連発。この試合では上積みも見られたが、コスタリカ戦の意義について「手応えを持つべき試合」と捉えていた本人にとっては受け入れがたい内容だったに違いない。

 W杯前に残された試合は6日のザンビア戦のみとなった。本田の出来がザックジャパンの命運を左右するだけに、周囲の不安は募る。

 ≪6人目≫MF本田がゲームキャプテンを務めた。ザックジャパン通算53試合(原博実代行監督の2試合を含む)でキャプテンマークを巻いたのは本田が6人目(試合途中からは除く)。試合数内訳は長谷部が44試合、遠藤が4試合、駒野が2試合、高橋、長友、本田が各1試合。

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