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Yトゥーレ 3度目W杯への思い激白「日本戦は運命を決める鍵」

[ 2014年5月29日 13:50 ]

2010年6月4日の親善試合で日本代表の大久保(右)と競り合うヤヤ・トゥーレ

 W杯ブラジル大会が6月12日に開幕。あと14日に迫ったサッカーの祭典に向け、日本が1次リーグ初戦(6月14日)で対戦するコートジボワール代表のMFヤヤ・トゥーレ(31=マンチェスターC)に独占インタビュー。3年連続でアフリカ最優秀選手に輝いている司令塔が、3度目のW杯に懸ける思いを激白した。

【W杯日程 コートジボワール代表メンバー】

 ――W杯の抱負を。

 「まずは1次リーグを突破しないと。僕らは一度も実現できていないからね。過去2大会のような死のグループではないから、今回は少し有利だと思う。でも、全ては初戦いかんだ」

 ――その初戦で日本と対戦する。どう思う?

 「正直に告白すると、日本というチームについてあまり知らないんだ。だから何が待ち受けているのかも、正確に予測できないでいる。10年W杯前に(親善試合で)対戦したことがあるけど、ドログバが負傷してしまって僕らにとっては嫌な思い出になっているね」

 ――その試合は2―0で勝った。

 「そう。でもそんなことは当てにならないと思う。公式戦は全く別物だからね。それに日本も進歩を遂げて、全く別のメンタリティーで今大会に臨んでくるだろう。僕らも同じだ。日本戦は、僕らのブラジルでの運命を決定づける鍵になり得る。ギリシャはフィジカルな対決になるだろうし、コロンビアはタレントぞろいだ」

 ――黄金世代にとって最後のW杯になる。

 「だからこそ、目標を達成できないと残念なことになる。ドログバにとっては(代表)キャリア最後になるかもしれないし、僕の兄コロや他の何人かにとっても最後のW杯かもしれない。だから何としてもいいW杯を実現しなくちゃ」

 ――過去2大会は1次リーグ敗退だった。

 「メンバーの顔ぶれを見れば、ファンがもっと上を期待したのも理解できるよ。でもね、代表はクラブとは違うんだ。コートジボワールの場合、全ては精神性というか、気持ちの持ち方にかかってくる。いつでもみんなのために奉仕しようとはしない面があるからね」

 ――文化的な難しさか?

 「チームには、重い水を担ぐ縁の下の力持ちも、マシンを回す華やかな役も必要。それを受け入れなくちゃいけないんだ。何人かは、十分に認められていないと思って気を悪くする。僕だって、クラブでは全てが僕を通過して回っていても、代表では簡単に自分のしたいようにはできないんだよ。何人かは僕のようにしたいと思っている。でも、そういう態度は物事を複雑にしてしまうんだ。時にとげとげしさやジェラシー(嫉妬)があるね」

 ――改善するには?

 「僕らは集まるたびに話し合ってきた。僕は、そこで何かが起きたと確信しているよ。もしヤヤにこれをしてくれと頼んだら、そのときはヤヤに任せなくちゃいけない。もしエゴを脇に置くことができなかったら、問題が起こることになる」

 ――W杯直前の重圧を感じるか?

 「いや、W杯はもう純粋なる幸福。いつも戦えるわけじゃないんだ。この世界で選ばれてきたビッグチームと対戦する場なんだからね。素晴らしいの一言だよ!」

 ▽ヤヤ・トゥーレ 1983年5月13日、コートジボワール出身の31歳。地元ASECミノサスを経て01年ベベーレン(ベルギー)、03年メタルルグ・ドネツク(ウクライナ)、05年オリンピアコス(ギリシャ)、06年モナコに移籍。07~10年はバルセロナでプレーし、10年マンチェスターCに加入。今季リーグ3位の20得点を挙げて、2季ぶり4度目の優勝に貢献した。代表デビューは04年で国際Aマッチ通算82試合16得点。DFコロ・トゥーレ(リバプール)は実兄。1メートル91、90キロ。利き足は右。

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2014年5月29日のニュース