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シメオネ舞った!!Aマドリード18季ぶりVに敵地サポも大喝采

[ 2014年5月19日 05:30 ]

18季ぶりのリーグ優勝を決め胴上げされるAマドリードのシメオネ監督

 アトレチコ・マドリードが18季ぶり10度目の優勝を決めた。最終節の3試合が17日に行われ、首位アトレチコは敵地で2位バルセロナと1―1の引き分け。0―1で迎えた後半4分にウルグアイ代表DFディエゴ・ゴディン(28)がゴールを決めて追いつき、激しい守備で相手に勝ち越しを許さなかった。アトレチコは24日にレアル・マドリードと対戦する欧州チャンピオンズリーグ決勝(リスボン)で2冠に挑む。

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 カンプノウを埋め尽くした観衆9万6973人のうち、アトレチコのサポーターは500人足らず。それでも、歓喜に浸るアウェーのイレブンをスタジアム全体が拍手で祝福していた。「きょうはクラブ史上最も重要な日の一つとなった。この喜びはもの凄いとしか説明できない」。自身がアトレチコの選手だった95~96年シーズン以来のリーグ制覇に、元アルゼンチン代表MFのシメオネ監督も声を上ずらせた。

 故障から先発復帰したFWジエゴ・コスタが再び右太腿を痛めて前半16分で交代。MFアルダも23分に右脇腹を負傷し、共に涙を流してベンチへ下がった。33分には先制される苦しい展開だったが、指揮官の現役時代をほうふつさせる激しい守備は中盤でのプレッシャーをさらに強め、バルセロナのパスを寸断した。後半4分の右CKの場面では、それまでニアを狙っていたMFコケからキッカーを主将のMFガビに変更。ファーへ蹴ったボールを「ハーフタイムに監督が“おまえらは絶対1点取る”と励ましてくれた」と振り返ったゴディンがヘッドで叩き込んだ。自陣にくぎ付けとなった後半20分以降もリーグ最少26失点の守備は崩れず、値千金の引き分け。10年にわたるバルサとレアルの“2強時代”に終止符を打った。

 GKクルトワは「誰も僕らが優勝するとは想像しなかっただろう」と胸を張り、ガビは「強大なチームと戦える能力を持てたことは素晴らしい」と振り返った。昨季総収入1億2000万ユーロ(約166億8000万円)はバルサやレアルの4分の1以下。今季はコロンビア代表FWファルカオがモナコへ移籍したように主力の流出も続くが、その中で下部組織出身選手が成長。シメオネ監督は伝統の堅守速攻を徹底させ、セットプレーを磨くと同時に、金満チームに対抗する闘争心を3年かけて植えつけてきた。

 チームの一体感を示すように、指揮官は試合後の会見にスタッフ全員を連れてきた。「きょう我々は歴史をつくったが、土曜日(24日)には重要な欧州CL決勝が待ち受けている」。2週間の離脱とされるジエゴ・コスタの出場は絶望的だが、復活の古豪が一丸となってレアルに立ち向かう。

 ≪バルセロナ相手に6戦無敗≫アトレチコ・マドリードは今季、スペインスーパー杯(2分け)、欧州CL(1勝1分け)、国内リーグ(2分け)でバルセロナと計6試合戦い1勝5分け。バルサ相手にシーズン6試合無敗は39~40年シーズンのエスパニョール以来。

 ≪最終戦天王山は全てドロー≫スペインでリーグ最終戦の1・2位対決は史上3度目。45~46年シーズンは首位セビリア―2位バルセロナ、50~51年シーズンは首位アトレチコ―2位セビリアの顔合わせで、3度とも試合は1―1の引き分けとなり、敵地に乗り込んだ首位が優勝を飾っている。

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