武器は驚異の快足　Ｇ大阪ＤＦ藤春　２年目の目標は「代表入り」

プロ２年目でレギュラー定着を目指すＧ大阪のＤＦ藤春

Ｊ１注目の男 Ｇ大阪ＤＦ藤春広輝

　相手ＣＫの際、ボールの行方だけでなく、背番号４にも注目してもらいたい。Ｇ大阪ＤＦ藤春広輝（２３）の動きに、衝撃を受けることは間違いない。

　昨年１０月２２日、敵地での山形戦に後半開始から左サイドバック（ＳＢ）として出場。後半１５分に左足ボレーでプロ初ゴールを記録した。相手ＣＫのクリアから速攻に移った時点では自陣最後方に位置取っていたが、５０メートル５秒８の快足を飛ばして一気に相手ゴール前へ。敵味方全てをごぼう抜きにして、最後はゴール前を固める相手ＤＦ２人の間を割ってネットを揺らした。「このプレーは常に狙っている」という圧巻の一撃。次戦・鹿島戦からは左ＳＢのレギュラーに抜てきされた。初スタメンとなった昨年５月１５日の福岡戦では「人生最大の緊張」で夜も眠れず、腹痛にもなった。散々な第一歩だったが終わってみればルーキーイヤーでリーグ戦１１試合に出場して１得点３アシスト。瞬く間に欠かせない戦力へと成長した。

　ポテンシャルの高さはサッカー外でも発揮されている。特技は大学時代から始めたボウリング。最高スコア「２８９」を誇る。プロ入り後もオフ前には足しげく通い「集中力の部分ではサッカーにも生かされているんじゃないかな」と分析する。また、ホラー映画観賞を趣味にしながら「見た後は電気をつけていなければ眠れないんです」という、かわいらしい一面も持ち合わせている。

　今季の目標はレギュラーへの完全定着と代表入り。「まずはクラブ内の競争に勝つ。その後に（代表を）狙います」と力を込める。Ｊ屈指の身体能力を誇るプロ２年目は飛躍を誓っている。

　◇藤春　広輝（ふじはる・ひろき）１９８８年（昭６３）１１月２８日、大阪府東大阪市生まれの２３歳。東海大仰星高から大体大に進学し、０８年に総理大臣杯優勝。１１年にＧ大阪に入団。同年３月１日のＡＣＬ・メルボルン戦でプロデビュー。１メートル７５、６０キロ。左利き。