独で痛感“ＦＷの仕事はゴール”　矢野キッパリ「毎試合得点を」

「毎試合１点」を目標に掲げた新潟ＦＷ矢野

Ｊ１注目の男 新潟ＦＷ矢野貴章

　昨季１４位に低迷した新潟は１１人の補強を行い、初のアジアチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）出場を目指す戦力を整えた。中でもドイツ１部フライブルクから１年半ぶりに古巣に復帰したＦＷ矢野貴章（２７）の活躍に期待がかかる。

　２６日の清水とのプレシーズンマッチで先発出場し、久しぶりに実戦の場に立った。得点こそ奪えなかったが、随所にダイナミックな動きを披露。ポスト直撃のシュートを放つ場面もあった。就任３年目の黒崎監督も「ドイツから帰ってきてプレーの精度が上がっている。これからコンディションが上がってくるので楽しみ」と期待を寄せる。

　１０年Ｗ杯南アフリカ大会出場後、海外で活躍することを夢見て同年８月にドイツに渡ったが、昨季は１５試合に出場し無得点。今季は出場機会に恵まれず、昨年１２月に戦力外通告を受けた。

　「向こうはスピードもパワーも凄かった。ＦＷとして点を取らなければ何も通用しないということが分かった。いろいろな経験を積めた」。持ち味である豊富な運動量や献身的な守備も、ＦＷとしてゴールを決めなければ評価されないことを痛感。古巣への復帰に「再生」とテーマを掲げた。

　「ドイツで学んだものを生かせるかはまだ分からないけど、貪欲にゴールを狙っていきたい。毎試合１点は取るつもりでやる」。点の取れるＦＷとして再生しようと必死に調整を続けている。

　Ｊ１での年間最多得点は０９年の８。今季新潟は４―３―３の新システムを導入する。３トップを組む平井、ブルーノ・ロペスとの連係が成熟すれば、間違いなくゴールの数は増える。

　◇矢野　貴章（やの・きしょう）１９８４年（昭５９）４月５日、静岡県出身の２７歳。浜名高から０３年柏入り。０６年新潟に移籍し、１０年Ｗ杯南アフリカ大会の日本代表に選ばれカメルーン戦に出場。１０年８月フライブルクに移籍し１０～１１年シーズンは１５試合出場無得点。今季は出場なし。Ｊ１通算１９１試合３４得点。１メートル８５、７６キロ。血液型Ｏ。利き足は右。