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苦しかった1年 酒井 実はシーズン中に手術「90分走れるようになった」

[ 2011年12月4日 08:24 ]

<浦和・柏>後半、浦和・原口(右)と競り合う柏・酒井

J1第34節 柏3―1浦和

(12月3日 埼玉)
 【柏・酒井宏樹の手記】アウェーなのに本当にたくさんのサポーターが来てくれて…。みんなを幸せにしたい、そういう気持ちで試合に入りました。勝ちにこだわった試合で勝てて本当に良かった。実感はまだ湧いてこないけど、凄いことを経験させてくれたクラブには本当に感謝です。

 今年は実質1年目。ここまで来られた一番のきっかけは、4月のJ2熊本との練習試合でした。高校2年以来の右サイドバックで出場して2アシストしたんです。速いボールのクロスだったら精度が良ければ、FWは当てるだけで決まる、と考えました。クロスのイメージが完成したんです。俺の右足は“できる子”なので。

 試合に出られるのは本当にうれしかったけど、体調がきつくて、一試合一試合、軽い鬱(うつ)のような感じの時もあったんです。その頃は、また苦しい時間が来るな、と。いつも試合日までカウントダウンしたりしていました。90分が自分にとっては2試合分という感じだったんです。

 実は9月に不整脈の手術を受けました。シーズン中でしたけど迷いはなかったですね。でも、あの手術はもうしたくない。手術のときは、薬で脈拍を200まで上げて、息も苦しかった。手術後は6~7時間ベッドに寝たままで動けない。腰も痛かったし、めっちゃ熱くて、寝返りもできなくて、あせももできてしまいましたけど…。でもそれがあったから今、90分を通して走れるようになりました。

 今後は、8日に開幕するトヨタ・クラブW杯、それから来季、初挑戦となるACLも今からワクワクします。アシストを決めたいですね。あとU―22日本代表としては五輪予選を突破して、ロンドンに行きたい。五輪ではアジアよりレベルの高いチームと試合ができるので、少しでも多くのチームと戦いたい。出るからにはウェンブリーを目指しますよ。より大きなステップアップの1年にしたいですね。(柏レイソルDF)

 ◆酒井 宏樹(さかい・ひろき)1990年(平2)4月12日、千葉県生まれの21歳。柏の下部組織U―15、U―18を経て高校3年時の08年にトップチームで出場可能な2種登録。09年正式にトップチーム昇格。同年サンパウロ州選手権1部モジミリンに留学。プロ2年目の昨季はJ2で9試合1得点。今季は先発に定着して27試合7アシスト。U―16、U―22日本代表。10月にA代表に初招集された。1メートル83、70キロ。利き足は右。血液型A。

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2011年12月4日のニュース