×

大岩「感謝」天皇杯優勝を花道に引退

[ 2011年1月1日 20:18 ]

サポーターとともに喜ぶ、天皇杯優勝を花道に引退する鹿島・大岩(中央)

 【天皇杯決勝・鹿島2-1清水】仲間の勇姿をベンチから見届けた。この日を最後に現役を終える寂しさより日本一の喜びが大きかった。「これ以上ない。素晴らしいチームメートに感謝です」。出場機会はなかったが、表彰式では小笠原満男主将から天皇杯を譲り受け、高々と誇らしげに掲げた。

 38歳となった今季は、Jリーグ1部(J1)最年長選手として戦った。チームメートからは「剛さん」と慕われる兄貴分。リーグ戦先発はわずか1試合と控え暮らしが続いても、練習にはひた向きに取り組み続けた。オリベイラ監督も「彼の練習態度を見ていれば、若い選手は手を抜けない」とチーム内の手本として高く評価した。

 プレー面の衰えから、守備陣の力になれず「助けてあげられなかった。ふがいない」と今季限りでの引退を決意した。昨年12月25日、天皇杯全日本選手権準々決勝後の引退セレモニーで涙を浮かべる後輩たちを見て「みんなが泣いてくれて選手冥利に尽きる」と男泣き。チームでは「剛さんと少しでも長く」を合言葉に、この大会で頂点へと勝ち上がった。
 静岡・清水商高―筑波大から1995年に名古屋グランパス入り。ジュビロ磐田、鹿島と3クラブを渡り歩き、いずれもタイトルを獲得した。最も思い出に残っているのは、勝ち点10差から浦和レッズを大逆転した2007年のリーグ優勝だという。引退後は鹿島のコーチ就任を要請されており「違う形で鹿島に貢献できれば」と、第二のサッカー人生を思い描いている。

続きを表示

2011年1月1日のニュース